止まらず、焦らず:階段を登るように続けてきた日々
ブログを始めて、もう1年と4ヶ月ほどが経ちました。
最初は「もっと速く成長できるはず」と思っていた時期もあります。
勢いよく書き始めた頃の自分と比べると、今のペースはゆっくりに感じることもあります。
けれど、これまでの記事を振り返ってみると、確かに積み上がっているものがある —
それが、私にとってのスモール起業の実感です。
スモール起業は、坂道を一気に駆け上がるようなものではありません。
階段を登り降りするように、一段ずつ形を整えながら、時には止まり、時には少し戻りながら進む営みです。
登り降りを繰り返しながらも「続けられている」という事実こそが、複利の力を静かに証明しています。
この記事では、
- どうすれば「無理なく続ける」仕組みをつくれるのか
- 一時停止や下降を、どう捉えれば長期的なプラスにつながるのか
- そして、時間とともに積み上がる “見えない複利” をどう信じるのか
というテーマについて、階段のメタファーを通して考えていきます。
焦らずに続けていくための設計 — それが、この小さな起業を支えてきた理由です。
起業は坂道ではなく「階段」である

“坂道的” 努力と“階段的” 努力のちがい
多くの人が起業を「坂道を登るようなもの」と捉えています。
常に前へ進み、止まれば落ちてしまう。そんな感覚です。
確かに短期間で成果を出すときには、坂道を駆け上がるエネルギーが必要な場面もあります。
しかし、スモール起業のように長く続けていく活動では、坂道のような持続的な傾斜は体力を消耗しすぎてしまいます。
一方で、階段は一段ごとに区切りがあり、途中で立ち止まっても落ちません。
目指す高さは同じでも、「一段上がる」ことを繰り返すことで、無理のない上昇が可能になります。
この “段差のある構造” こそが、スモール起業を続けるための最も現実的な比喩だと感じています。
一段ずつの達成感が支える継続力
階段の良さは、「一歩で到達できる目標」が明確であることです。
たとえば「週に1回ブログを書く」「月に1件の受注を増やす」など、小さな単位で成果を感じられる仕組みを持つことで、気持ちの持続力が生まれます。
坂道では終わりが見えず、達成感が遠のきやすいのに対し、階段には “区切りの喜び” があります。
それが積み重なることで、「続けることができる自分」という自己効力感を強めてくれるのです。
また、階段には “踊り場” があります。
登り続けることだけを目的にせず、途中で立ち止まり、息を整えることが前提に組み込まれている構造です。
これは、事業の成長においても非常に重要な視点です。
次の段に上がるための「間」を取れることが、継続力の源泉になります。
「上がる」と「止まる」を区別する思考
多くの人が、止まることを「失敗」や「停滞」と感じてしまいます。
けれども、階段構造の視点から見ると、「止まる」は次の上昇への準備期間です。
たとえ動いていないように見えても、視点を変え、整理し、体勢を整える時間が確実に成果につながります。
階段を登る人にとって重要なのは、常に動き続けることではなく、“どこに次の段があるか” を見極めることなのです。
スモール起業は、短距離走でも、継続的な坂道登山でもありません。
段差のある階段を、日々のペースで登り続けること。
それが「無理なく続けられる人」の構造であり、長期的に複利が働くための基盤になります。
階段の踊り場で息を整える

踊り場=再設計と休息のフェーズ
階段には、登り続ける途中に「踊り場」があります。
これは単なる休憩スペースではなく、次の段へ進むために体勢を整える場所です。
スモール起業にも同じような踊り場が存在します。
たとえば、売上がしばらく横ばいになったときや、新しいアイデアが出ない時期などです。
その停滞を「失速」と見るか、「再設計のための間」と見るかで、結果は大きく変わります。
踊り場で過ごす時間には、自分の方向性を確かめ、次の段を見つけるための余白があります。
呼吸を整え、周囲の景色を見直すことは、長く続けていくために欠かせない工程なのです。
焦りが破壊する「持続のリズム」
起業を続けていると、「止まってはいけない」という思い込みにとらわれがちです。
とくにSNSや周囲のスピードが速い環境では、立ち止まることに罪悪感を抱くこともあるでしょう。
しかし、焦って次の段を見つけようとすると、足場が不安定なまま踏み出すことになります。
結果的に、せっかく築いた階段を自分で崩してしまうことにもなりかねません。
リズムを保つことは、勢いを維持することとは違います。
リズムとは、「登る」「止まる」「整える」という三拍子が揃った状態です。
焦らずに踊り場を受け入れた人ほど、次の一段をしっかりと登れるようになります。
それが “無理なく続く人” のペース設計です。
静止の期間も積み上げの一部
不思議なことに、止まっている時間にも積み上げは起こっています。
それは外から見えにくい “内部複利” のようなものです。
思考が整理され、新しい方向性の種が生まれたり、心の負荷が軽くなったりする。
これらは数値化できないものの、確実に次の成長を支えます。
実際、踊り場の時期を経た後に急に視野が広がったり、以前より効率的に動けるようになることがあります。
それは、見えないところで複利が働いていた証拠です。
止まっているようで、内側では静かに次の準備が進んでいるのです。
スモール起業を長く続けるうえで、この “静かな積み上げ” を信じる姿勢が大切だと思います。
踊り場は、怠けや逃避ではありません。
登り続けるための仕組みに、最初から組み込まれている「必要な間(ま)」です。
この “呼吸の構造” を理解できると、起業を焦らずに続けられるようになります。
小さな段差を設計する技術

時間設計:一歩の幅を狭くする
続けられる人は、「一歩」を小さく設計しています。
たとえば、1時間集中できないなら15分で区切る。
ブログを1本書くのが負担なら、見出し1つだけ書く。
そんなふうに、自分が「今日できる最小単位」を定義しておくことが、継続の第一歩です。
多くの人が続けられなくなる理由は、最初の段差を高く設定してしまうからです。
一歩の高さが大きすぎると、気持ちはあるのに身体が動きません。
逆に、小さな段差なら「もう少し進めるかもしれない」と思える。
それが、時間設計における “階段を細かく刻む” 発想です。
時間を区切ることで、達成感の頻度も増えます。
その小さな満足感の積み重ねが、やがて複利のように自信へと転化していくのです。
収益設計:小さく回す仕組みをつくる
スモール起業では、最初から大きな売上を目指すよりも、
「小さく稼ぐ構造を安定して回す」ことが重要です。
一気に伸ばそうとすると、資金や体力の段差が高くなり、途中で息切れしてしまいます。
たとえば、1件の仕事を安定的に続けるモデルや、少額のサブスクリプションを積み重ねるモデルなど、
“無理のない規模感” を意識した収益設計が、階段を安全に登る仕組みになります。
また、収益の階段は一方向ではありません。
一時的に下がることも、事業の地盤を固める「踊り場」として機能します。
売上の変化に一喜一憂するのではなく、「段差をどう設計するか」に意識を向けることが大切です。
習慣設計:自分にとっての最小単位を定義する
最後に、時間と収益を支えるのが「習慣の設計」です。
どんなに良い仕組みを作っても、行動が続かなければ意味がありません。
続けるためには、「自然とできてしまう状態」を仕組みとして作ることがポイントです。
たとえば、「朝のコーヒー後にメモを1行書く」「週のはじめに次の段の計画を10分だけ考える」など、
既にある行動に新しい習慣を結びつけると、段差を感じにくくなります。
自分のリズムに合った習慣設計こそ、長期での継続力を支える階段の骨格になります。
また、習慣は時間とともに “複利” のように効いていきます。
最初は小さな行動でも、積み重ねるほど行動のコストが下がり、成果が自然に積み上がっていきます。
それはまるで、気づけば高いところまで来ていた ─ そんな静かな上昇のようです。
小さな段差を設計するということは、
「未来の自分が無理せず登れるように道を整える」ことです。
時間・収益・習慣という3つの階段を意識しておくだけで、
登り降りのある起業の道も、ぐっと歩きやすくなります。
下り階段も成長の一部

下降期に見えるものは「地形の把握」
事業を続けていると、必ず下降する時期がやってきます。
売上が落ちたり、モチベーションが下がったり、外部環境が変わって流れが止まることもあります。
多くの人はそれを「後退」と感じますが、実際には “地形を把握する期間” なのです。
登り続けているときには見えなかったことが、下りのときに見えることがあります。
市場の構造、自分の強み、続ける意味。
上昇時にはスピードが出すぎて、細部を見落とすことが多いですが、
下りの時間には、足元を観察する余裕が生まれます。
この「俯瞰できる時間」をどう活かすかが、次の上昇を決める鍵になります。
減速がもたらす内省と再発見
下り階段に入ると、心理的には焦りを感じるものです。
しかし、減速には「内省」という副産物があります。
スピードを落とすことで、これまで無意識に続けてきたパターンを見直すことができるのです。
たとえば、「本当に自分がやりたい仕事はどれか」「どの顧客層が最も価値を感じてくれているか」など、
勢いの中では見落としていた問いが見えてきます。
これは決して後退ではなく、“構造の再編集” です。
事業を続けていくほど、この再編集のサイクルが重要になっていきます。
下りの時間を、再設計と再確認のための “編集期間” と捉えれば、焦る必要はありません。
むしろ、登り続けるだけでは磨かれない洞察力が、ここで育まれるのです。
「戻る」ことで強くなる事業構造
時には、以前の段に戻ることもあります。
商品をリニューアルしたり、以前の働き方に一部戻したり。
一見すると逆行に見えますが、それはむしろ「強化のための再訪」です。
階段を降りてもう一度登り直すことで、構造の耐久性が増します。
たとえば、同じ施策を2回目に行うと、設計の精度が上がる。
一度目の “成功” が偶然でなく、再現可能な “仕組み” として定着していくのです。
これが、スモール起業が長く続く人に共通する特徴です。
下降は、失敗ではなく、上昇を支えるための反復運動です。
戻ることを恐れず、むしろ「戻れる構造」を持っていることが、安定的な成長を生み出します。
それは、柔軟でしなやかな事業体であることの証でもあります。
成長の道は、常に登り続ける一本の線ではありません。
それらの揺れをすべて含んでこそ、事業は立体的に強くなっていきます。
階段を降りることも、登ることと同じくらい大切な「学びの運動」なのです。
階段はつながっている:長期×複利×継続

長期:時間が味方する構造を信じる
スモール起業において、最も大きな成果をもたらすのは「時間の力」です。
しかし、時間は味方にもなれば敵にもなります。
焦って結果を求めるほど、時間の流れが重く感じられますが、
「時間が積み上げを育ててくれる」と考えると、すべてが安定して見えてきます。
長期とは、ただ “長く続ける” ことではありません。
時間の中に “波” があることを理解し、その波を設計に組み込むことです。
短期的な結果を追わず、1年、3年、5年という単位で成長を設計する。
その視点を持つだけで、目の前の登り降りに振り回されなくなります。
長期を前提にすれば、今の一歩がたとえ小さくても、確実に次へつながる意味を持つのです。
複利:見えない成長を積み上げる
複利とは、成果だけでなく「経験」や「信頼」にも働く法則です。
一つひとつの行動が、時間をかけて静かに効果を増していく。
これは数字には見えにくいけれど、事業を続ける人なら誰もが感じている現象だと思います。
たとえば、毎月少しずつ改善してきた商品やサービス。
それが数年後には「自然と売れる仕組み」に育っていることがあります。
また、一度関わったお客様との関係が、思わぬ形で新しい仕事につながることもあります。
これらはすべて、時間と信頼の複利が静かに働いている証拠です。
複利の力は、短期的な変化を求めない人にしか見えません。
続けること自体が、複利のトリガーになっているのです。
継続:小さな繰り返しが未来を変える
長期と複利を現実のものにするのが、「継続」という構造です。
継続は根性ではなく、設計です。
一度に大きく動くよりも、少しずつでも “同じペースで動き続ける仕組み” を持つこと。
それが、階段を登り降りし続ける力になります。
「毎週の振り返りを10分だけする」「月に1回、数字を整える」など、
小さな繰り返しを生活の一部に組み込むことで、持続は自然に生まれます。
やがてそれは、無意識のうちに行動を支える “自分仕様のリズム” になります。
階段を登り降りする人に必要なのは、勢いではなくペースです。
一段一段の繰り返しを軽く保ちながら、時間とともに複利を味方につける。
この構造を理解した人だけが、「無理なく続けられる人」になっていきます。
階段は、一段ごとに区切られながらも、最終的にはすべてつながっています。
登りも下りも、止まる時間も、すべてが一つの流れの中にあります。
その全体を「長期」「複利」「継続」というレンズで見通せたとき、
私たちはようやく “続ける起業” の本当の意味を実感できるのです。
まとめ:階段を登り降りし続けるための小さな証明

起業をして年月を重ねると、「どこまで来たのだろう」とふと立ち止まる瞬間があります。
目に見える成果は派手ではなくても、確かに積み上がっている感覚。
それは、階段を登り降りするように一段ずつ積んできた人だけが持てる実感ではないでしょうか。
階段には、登り降り、踊り場、そしてつながりがあります。
それは、スモール起業の道そのものです。
勢いで駆け上がるのではなく、リズムを保ちながら進む。
止まることや下ることさえも、成長の一部として受け入れる。
そうした柔軟な姿勢が、結果的に「長く続けられる力」につながっていきます。
続けるという行為は、ときに地味で、孤独です。
でも、毎日の小さな行動が静かに積み重なっていくことで、見えない複利が働きます。
一つの投稿、一回の対話、一つの改善。
それらが時間とともに増幅し、思いがけない形で成果へとつながっていくのです。
「今日も続けられている」という事実。
それだけで、すでに一つの証明になっています。
この階段を登り降りし続けている限り、私たちは確かに成長しています。
焦らず、比べず、止まりながらでも進み続ける。
それが、無理なく続けられる起業のかたちであり、時間が育てる複利の力です。
おことわり
本記事は筆者自身の経験と考察に基づいて執筆しています。
起業や経営の成果を保証するものではなく、実践にあたっては各自の状況に応じて判断してください。
内容は執筆時点の情報に基づいており、将来的な変化や結果を約束するものではありません。
本記事で使用した画像はNapkin AIを利用しています。
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