実は興味深かった階段登り降りという運動の特性
私はこれまでシンプルに『ダイエット』という目的で、シンプルに『階段の登り降り』という運動を続けてきました。ここでふと考えてみました。
- 階段の登り降りは有酸素運動?
- 階段の登り降りは負荷の高い運動?
おそらくどちらにも当てはまるイメージはありますが、実際はどうなのでしょうか?
階段の登り降りは、一見単純な日常動作ですが、実は有酸素運動とHIIT(高強度インターバルトレーニング)の要素を巧みに組み合わせた、非常に効果的な運動方法です。階段を登る際の高強度な動きと、下る際の低強度な動きが自然なインターバルを作り出し、持続的な有酸素運動の利点とHIITの高い脂肪燃焼効果を兼ね備えています。
この特性により、階段の登り降りは効率的な体脂肪の減少と心肺機能の向上をもたらし、短時間で高い効果が得られます。さらに、階段の登り降り運動は特別な器具や設備を必要とせず、どこでも手軽に行えるため、忙しい40代の方々にとって理想的なエクササイズです。
日常生活に簡単に取り入れられる点も大きな魅力であり、通勤や買い物の際に階段を利用するだけで、健康維持やダイエットに役立てることができます。このように、階段登り降りはシンプルながらも多くのメリットを持ち合わせており、健康増進を目指す方々にとって非常に興味深い運動と言えるでしょう。
今回は有酸素運動、および高強度インターバルトレーニングがそれぞれどのような運動であるかを調査しました。その上でこれらの特徴と階段の登り降りを比較したところ、階段の登り降りがハイブリッド?のような運動であると考えられたことを記していきます。
階段の登り降りは有酸素運動? 負荷の高い運動?
有酸素運動とは?

有酸素運動とは、 筋肉を動かす際にエネルギー源として、体内の血糖や脂肪と共に酸素が使われる運動です。運動強度は比較的小さく、筋肉へかかる負担が比較的軽いため、長時間継続して行える運動です。
代表的な例は、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳、エアロビクス等が挙げられます。一般的に1回20分以上続けるのが良いですが、1回10分ずつ複数回に分けて行っても同程度の効果が得られるとされています。
有酸素運動はダイエットや健康維持に効果的であり、年齢や性別を問わず誰でも始めやすい運動方法として広く取り入れられています。
高強度インターバルトレーニングとは?
高強度インターバルトレーニングとは、(HIIT:High Intensity Interval Training、ヒット)と略され、効率的な運動方法として注目されている運動法です。
その特徴は、
- 短時間・高強度:
- 通常20〜60秒程度の高強度運動を行います
- インターバル:
- 高強度運動の後に10〜60秒程度の短い休息を取ります
- 繰り返し:
- 上記のサイクルを複数回繰り返します
- 短い総時間:
- 典型的なHIITは4〜30分程度で終了します
出典:話題のメソッド「HIIT」とは? その効果と具体的な方法を解説
HIIT(ヒット)トレーニングとは。ダイエット効果を高めるやり方、メニュー例
その効果は、
- 効率的な脂肪燃焼:
- 短時間で高い脂肪燃焼効果が期待できます
- アフターバーン効果:
- トレーニング後も長時間にわたって代謝が上がり、カロリー消費が続きます
- 心肺機能の強化:
- 心肺機能や全身持久力の向上に効果があります
- 筋力・筋量の向上:
- 筋力アップや筋肉量の増加も期待できます
出典:HIITワークアウトとはいったい何?
1日4分 話題の筋トレ「HIIT」で体脂肪が落ちる
HIITは純粋な有酸素運動ではなく、無酸素運動と有酸素運動の要素を組み合わせたトレーニング方法です。
HIITは短時間で効果的なトレーニングを行いたい人や、ダイエット効果を求める人に適した運動方法です。ただし高強度の運動を含むため、開始前に自身の健康状態を確認することが重要です。
階段登り降りは有酸素運動?

上記2項目の特性を踏まえ、階段の登り降りは有酸素運動にあたるかについて考えてみます。私は通常、地上6階の高さ、片道90〜120秒、30〜40分間、2〜3回/週という条件で行っています。
- 持続時間:
- 30〜40分間続けるという点は、典型的な有酸素運動の持続時間に合致します(有酸素運動は一般的に20分以上続けることが推奨されています)。
- 強度:
- 片道90〜120秒という時間は、中〜比較的強程度を示唆しています。これは有酸素運動の特徴と一致します。
- 酸素の利用:
- 階段の登り降りは筋肉が酸素を利用してエネルギーを生成する運動です。これは有酸素運動の基本的な特徴です。
- 効果:
- 階段の登り降りは心肺機能の向上や体脂肪の燃焼に効果があります。これらは有酸素運動の主要な効果です。
- 継続性:
- 階段の登り降りは比較的長時間継続して行える運動です。これも有酸素運動の特徴の一つです。
出典:有酸素運動とは?無酸素運動の違いや効果・主な運動メニューを解説
【公式】体成分分析装置InBody
これらから、階段の登り降りは有酸素運動と言えそうです。ただし、登り中の負荷を上げ過ぎると無酸素運動の領域に入る可能性もあります。このため私はスマートウォッチにより運動中の心拍数を監視し、上がりすぎないように負荷を調整しています。
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階段登り降りは負荷の高い運動?
別の記事で階段の登り降りにおける負荷について記載しました。

- 普通速度の歩行:
- 3 メッツ
- 階段下り:
- 3.5 メッツ
- 階段上り(ゆっくり):
- 4 メッツ
- 階段上り(速く):
- 8.8 メッツ
出典:改訂版 『身体活動のメッツ(METs)表』 (独)国立健康・栄養研究所
メッツと強度の関係は、
- 3メッツ以下:低強度
- 3-6メッツ:中等度の強度
- 6メッツ以上:高強度
とされているため、階段の登り降りは中〜高負荷の運動と言えそうです。
階段の登り降りは高強度インターバルトレーニング?
ここで、階段の登り降りとHIITを比較してみます。
- 運動時間:
- 片道90〜120秒は、典型的なHIITの高強度運動時間(20〜60秒)よりも長いです。
- 強度:
- 階段昇降は中〜高強度の運動ですが、HIITで求められる「限界に近いレベル」の強度には達していない可能性があります。
- インターバル:
- 往復で行うため、下りの際に自然な回復時間が含まれますが、HIITの典型的な休息時間とは異なります。
出典:有酸素運動とは?無酸素運動の違いや効果・主な運動メニューを解説
【公式】体成分分析装置InBody
このことから、階段の登り降りはHIITに完全には当てはまりませんが、少なからずの要素は持っていそうです。
階段の登り降りは有酸素運動と高強度インターバルトレーニングのハイブリッドである

以上のことから階段の登り降りは、体内の糖や脂肪を効率良く消費できるという有酸素運動の特性と、インターバル運動をすることで短時間で脂肪を燃焼させ筋力アップも期待できるHIITの特性の良いところどりと言えそうです。(一方でハイブリッドという言葉の宿命か、悪く言えばどっちつかず、中途半端と捉える考え方も否定はできませんが・・)
いずれにせよ私は、シンプルで効率・効果の高い階段の登り降りという運動を、できる限り続けていきたいと思います。
おことわり
本記事は筆者個人の健康診断結果と経験に基づくものです。記載内容は一般的な医療アドバイスではなく、読者の皆様の健康状態については必ず医療専門家にご相談ください。また、本記事の情報は執筆時点のものであり、最新の医学的知見とは異なる可能性があります。