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その違和感は、故障ではなく “回路の変化” かもしれない
階段の登り降りで、膝にわずかな違和感を覚えることがあります。
痛みと呼ぶほどではないけれど、これまでとは確実に違う感覚です。
登りでは問題がないのに、下りになると少し不安定に感じる。
数段目あたりで膝の奥が頼りなく思える。
「このまま続けてよいのでしょうか」と、身体が問いかけてくるような感覚です。
40代の身体は、ある日突然壊れるわけではありません。
しかし、同じ負荷でも “制御の精度” が少しずつ変わっていきます。
階段の登り降りは、体重と重力がそのまま膝に伝わる運動です。
特に下りは、身体を減速させるブレーキ動作になります。
このとき生じる違和感は、必ずしも故障のサインではありません。
多くの場合、それは「回路の揺らぎ」です。
筋力が失われたのではなく、
動きを支える連動がわずかに乱れている状態かもしれません。
大切なのは、すぐにやめることでも、無理をすることでもありません。
まずは身体がどの状態にあるのかを整理し、
必要であれば小さく調整しながら続けていくことです。
この記事では、
階段の登り降りで膝が痛くなったとき、
身体に何が起きているのかを構造的に整理します。
そのうえで、続けてよいかどうかの判断基準、
そして必要に応じたケアや外部サポートの考え方をお伝えします。
目指すのは劇的な改善ではありません。
「今の運動を続けてよい」という静かな確信です。
その基準を、ここで一緒に整えていきます。
階段の登り降りで膝が不安定になる理由

階段の登り降りは、平地歩行とはまったく異なる運動様式です。
とくに膝に負荷がかかりやすいのは「下り」の局面です。
登りは “押し出す” 運動、下りは “減速する” 運動
登りでは、身体は重力に逆らいながら体重を押し上げます。
主に太もも前面(大腿四頭筋)とお尻(大臀筋)が協調して働きます。
一方、下りでは身体を前方かつ下方へ移動させながら、
勢いを制御して減速する必要があります。
このとき大腿四頭筋は「遠心性収縮(エキセントリック収縮)」という働きをします。
筋肉が伸ばされながら力を発揮する状態です。
遠心性収縮は、筋肉にとって非常に重要な刺激ですが、
同時に制御精度が求められる負荷でもあります。
また、階段下降時は平地歩行よりも膝関節への圧縮力が増加することが報告されています。
(例:膝関節への負荷解析研究)
出典:Eccentric Muscle Contractions: Risks and Benefits
A study of lower-limb mechanics during stair-climbing
Knee and hip kinetics during normal stair climbing
40代で起きやすいのは「筋力低下」よりも “制御精度の変化”
多くの場合、問題は急激な筋力低下ではありません。
むしろ起きやすいのは、以下の変化です。
これらが重なると、
膝が “単独で支えようとする状態” になります。
膝は本来、
股関節と足首のあいだで力を受け渡す中継地点です。
しかし連動が乱れると、
膝関節周囲の軟部組織にストレスが集中します。
この状態が続くと、
といった感覚が現れます。
違和感=損傷とは限りません
重要なのはここです。
違和感があるからといって、
必ずしも関節が損傷しているとは限りません。
膝の不快感の多くは、
過負荷や使い方の変化による一時的な炎症や緊張である場合があります。
階段の登り降りという運動は、
身体にとって高度な “モード切替” 動作です。
この切替が滑らかでなくなったとき、
身体は違和感として知らせます。
これは壊れたというより、
回路が再調整を求めている状態と考えるほうが自然です。


この章で伝えたいことは一つです。
階段の登り降りで膝が不安定になるのは、
身体が弱くなったからとは限りません。
多くの場合は、
連動のわずかな乱れです。
次は、まず身体だけでできる調整方法を整理します。
まず身体だけでできる調整

階段の登り降りで膝に違和感が出たとき、
最初に考えるべきなのは「やめること」ではありません。
身体は、負荷そのものよりも、
負荷のかかり方の偏りに反応します。
ここでは、外部サポートを使う前に、
身体だけでできる調整を整理します。
歩幅を半段小さくする
階段の下りで膝に負荷が集中する一因は、
一歩ごとの衝撃量が大きいことです。
歩幅をわずかに小さくするだけで、
が起こります。
ポイントは「半段分、小さくする」感覚です。
大きく変える必要はありません。
「半段分、小さくする」とは?
段の高さを変えるという意味ではありません。
体の “落とし方” を少し穏やかにするという意味です。
たとえば ―
❌ いつもの下り
身体を前に出して「ストン」と降りる
⭕ 半段分小さくする
体を真下に近い方向へ「スッ」と下ろす
違いはほんのわずかですが、
結果として、
という変化が起こります。
感覚の目安
程度とし、大きくフォームを変える必要はありません。
ほんの少しだけ、
“急さ” を減らすだけで十分です。
階段の下りは「減速の運動」です。
半段分小さくするとは、
膝に “止める仕事” を一人でさせない工夫です。
下りで “音を立てない” 意識を持つ
階段を降りる時に足音が大きい場合、
減速制御が粗くなっている可能性があります。
「音を立てないように下りる」と意識すると、
が期待できます。
これは単なる気合いではありません。
神経‐筋制御の再学習です。

出典:The Sensorimotor System, Part I: The Physiologic Basis of Functional Joint Stability
手すりを使うのは後退ではありません
手すりを使うことを「弱さ」と捉える必要はありません。
手すりを軽く触れるだけでも、
が起こります。
これは多くのバランス研究でも示されています。
軽い触覚入力が姿勢制御を安定させることは広く知られています。
身体の目的は「無理をすること」ではなく、
回路を安定させることです。
出典:The role of haptic cues from rough and slippery surfaces in human postural control
太もも前の緊張をゆるめる
下りで負担が集中しやすいのは大腿四頭筋(太ももの前側、脚のつけ根から膝のお皿の上まで広がる大きな筋肉)です。
この筋群が過緊張状態になると、
につながります。
対策は強いストレッチではありません。
軽い伸張、もしくはフォームローラー等による穏やかな刺激で十分です。
筋膜リリースに関する研究でも、
短時間のフォームローリングが可動域改善に寄与することが示唆されています。

回数を減らすのではなく “分散する”
違和感が出たとき、
極端に階段回数をゼロにする必要はありません。
身体が嫌うのは「急激な変化」です。
- 一度に10往復 → 5往復×2回へ
- 長時間連続 → 朝夕に分散
このような調整で、
刺激を維持しながら負担ピークを抑えることができます。
ACSMも、継続的な適度負荷が組織適応に重要であると示しています。
出典:Progression models in resistance training for healthy adults [ACSM position stand]
階段の登り降りを続けてよい目安と判断基準
目指すのは痛みゼロではありません。
この状態を保てているなら、
身体は適応の途中にあります。
外部サポートを検討するのは、
これらの調整を行っても不安定さが続く場合です。
次は、外部サポートという選択肢を構造的に整理します。
外部サポートという選択肢

身体だけでの調整を行っても、
階段の登り降りで不安定さが続く場合があります。
そのときに検討できるのが、外部サポートです。
ここで大切なのは、
「どの商品が良いか」ではなく、
身体がどの状態にあるかという視点です。
外部サポートは、身体の代わりに働くものではありません。
身体の回路が安定するまでの “補助” です。
膝サポーターは「外部安定装置」
膝に横ブレや不安感がある場合、
サポーターは外部から軽い圧迫と安定を与えます。
圧迫によって得られるのは、固定そのものよりも、
固有受容感覚(位置感覚)の補助です。
研究でも、軽度の圧迫が関節位置覚の改善に寄与する可能性が示唆されています。
もし選ぶなら、
- 強く締めすぎない
- 長時間つけっぱなしにしない
- 下り時のみ使用する
といった「限定使用」が基本になります。
目的は依存ではなく、回路の安定です。
近年は、負担要因に応じて設計が分かれているタイプもあります。
たとえば、横ブレ対策を重視したものと、
圧迫バランスを重視したものなど、
身体の状態に合わせて選べる設計です。
出典:The effect of a neoprene sleeve on knee joint position sense
インソールは「衝撃分散装置」
膝は単体で体重を支えているわけではありません。
足裏アーチが崩れると、衝撃が直接膝へ伝わりやすくなります。
インソールは、
に寄与する可能性があります。
特に階段下降時は、膝関節への圧縮力が増えることが報告されています。

近年は、日本人の足型やO脚・X脚傾向に合わせて設計されたタイプもあり、
負担要因に応じて選びやすくなっています。
インソールは、
膝が悪いから使うのではありません。
膝に負担が集中しないよう、
連動全体を整えるための補助として考えます。
出典:Knee joint forces: prediction, measurement, and significance
サプリメントは「材料補給という考え方」
グルコサミンやコラーゲンは、
関節軟骨や結合組織の材料に関連する成分として知られています。
ただし、効果については個人差が大きく、
即効性を期待するものではありません。
位置づけは「治すもの」ではなく、
材料環境を整える可能性です。
階段の登り降り習慣を続けながら、
長期的視点で考える選択肢になります。
出典:Glucosamine therapy for treating osteoarthritis
ストレッチポールは「回路再調整」
フォームローラーやストレッチポールは、
に役立つ可能性があります。
階段の登り降りで太もも前が張る場合、
強化よりも先に「滑走性の回復」が必要なことがあります。
これは休むのではなく、
回路を整える工程です。
出典:A Meta-Analysis of the Effects of Foam Rolling on Performance and Recovery
外部サポートを選ぶ基準
外部サポートを検討する目安は、
- 自己調整を行っても不安定が続く
- 下りだけ明確に怖さがある
- 翌日に違和感が残りやすい
このような場合です。
一方で、
- 痛みが増悪している
- 腫れや熱感がある
- 階段以外でも強く痛む
場合は、自己判断せず医療機関への相談が優先されます。
Mayo Clinicも、腫脹や機械的ロッキングがある場合は受診を勧めています。
外部サポートは、
身体を甘やかすものではありません。
身体が再び自律的に安定するまでの、
一時的な補助線です。
次は、「それでも続けてよいのか」という判断基準を整理します。
出典:Diseases & Conditions – Knee pain
続けてよいかどうかの判断基準

階段の登り降りで膝に違和感が出たとき、
多くの人が迷うのは「続けてよいのかどうか」です。
ここでは、身体の状態から判断する基準を整理します。
主語はあくまで身体です。
続けてよいサイン
次の状態であれば、
階段習慣は “調整しながら継続” が基本になります。
- 痛みが徐々に悪化していない
- 翌日に強く残らない
- 腫れや熱感がない
- 可動域が保たれている
- 歩行そのものは問題ない
これは、組織が適応の途中にある可能性を示します。
運動による一時的な違和感は、
必ずしも損傷を意味しません。
ACSMも、適切に管理された負荷は組織の適応を促すと示しています。
階段の登り降りは、
という観点でも有益な運動です。
完全停止よりも、
負荷を整えながら続けるほうが合理的な場合は多くあります。
出典:Progression models in resistance training for healthy adults [ACSM position stand]
一度止めるサイン
一方で、次のような症状がある場合は注意が必要です。
- 明らかな腫れ
- 熱感
- 階段以外でも持続的に痛む
- 膝が引っかかる(ロッキング)
- 体重をかけにくい
この場合は、
自己調整の範囲を超えている可能性があります。
Mayo Clinicでも、
腫脹や可動制限を伴う痛みは医療評価を推奨しています。
ここで無理に続けることは、
習慣の複利を止める行為になりかねません。
止めることは後退ではありません。
身体を守る選択です。
出典:Diseases & Conditions – Knee pain
判断の軸は「続いているかどうか」
重要なのは、
痛みゼロかどうかではなく、
です。
違和感があっても、
この状態であれば、
身体は更新の途中にあります。
階段の登り降りは、
身体回路を維持する優秀なモード切替運動です。
この中庸が、40代以降の身体には最も合理的です。
次は、「そもそも階段は膝を壊す運動なのか」という問いに整理をつけます。
階段は膝を壊す運動ではありません

階段の登り降りで違和感が出ると、
「この運動は膝に悪いのではないか」と考えたくなります。
しかし、階段そのものが膝を壊すわけではありません。
問題になるのは、
負荷そのものよりも負荷の偏りです。
階段は、身体にとって非常に合理的な運動です。
これらを同時に引き出します。
WHOの身体活動ガイドラインでも、
日常生活内での中強度活動の継続が推奨されています。
階段は、その条件を自然に満たす運動の一つです。
重要なのは、
「やるか、やめるか」ではありません。
ここが判断軸です。
階段の登り降りは、
という明確なモード切替を含みます。
この切替が滑らかである限り、
膝は壊れる方向には進みにくいのです。
Persistent-Wins で繰り返し伝えてきた通り、
身体は「使うことで弱くなる」のではなく、
整えながら使うことで安定します。
違和感が出たという事実は、
運動が間違っている証拠ではありません。
むしろ、
回路が再編を始めている合図である可能性もあります。
次に、違和感がある今という状態をどう受け止めるかを整理します。
出典:WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour
まとめ:違和感がある今こそ、身体は更新しています

階段の登り降りで膝に違和感が出た。
それは、身体が弱くなった証拠でしょうか。
必ずしもそうではありません。
身体は、負荷に対して常に適応しようとします。
とくに40代以降は、「出力を上げる」よりも
制御を洗練させる方向へ変化していきます。
違和感は、その過程で起きる微細な揺らぎです。
その結果として、膝が信号を出しているだけかもしれません。
ここで大切なのは、
そして、
小さく整えながら続けることです。
階段の登り降りは、
優れたモード切替運動です。
違和感があっても、
のであれば、
身体は壊れているのではなく、更新の途中にあります。
劇的な変化は必要ありません。
完璧なフォームも必要ありません。
必要なのは、
安定しながら続いているという事実です。
その静かな手応えこそが、
身体回路が整っている証です。
違和感がある今という状態を、
後退ではなく調整の機会として扱う。
それが、
階段の登り降り習慣を複利に変える考え方です。
今日もまた、
一段ずつ整えながら続けていきます。
おことわり
本記事は、階段の登り降りにおける膝の違和感について、一般的な身体の仕組みや運動の考え方をまとめたものです。
特定の診断や治療を目的とするものではありません。
腫れや強い痛み、熱感、動かしにくさなどの異常症状がある場合は運動を中止し、医療機関を受診してください。
持病のある方や治療中の方は、事前に主治医へご相談ください。
なお、本記事にはアフィリエイトリンクを含む場合がありますが、紹介は身体構造と習慣の観点から選択肢を整理する目的で行っています。
本記事で使用した画像はNapkin AIを利用しています。