階段の登り降りを11年続けた私の、薬に至らなかった数字:尿酸 7.3 から 5.5 までの14年

薬に至る線の手前で立ち止まり、続けてきた階段を見上げるイメージ
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尿酸の薬を「いつやめるか」という記事を読みました。

続ける人、
減らす人、
やめられる人。

その分かれ目が、落ち着いた筆致で書かれていました。

読み終えて気づいたのは、
私はその薬を、始めたことがないということでした。

健診表の「尿酸」の欄を、14年分
初めて並べてみました。

そこにあったのは、線の手前で静かに下がっていく数字でした。

尿酸は、
2016年の 7.3 mg/dL から、
2026年の 5.5 mg/dL へ。
薬は一度も使っていません。

体重が変わらなかった年に先に下がり
13 kg 落とした年にはすぐ動きませんでした。

理由をひとつに決めず、
線の位置と数字の動きだけを、ここに置いておきます。

目次

14年分の尿酸を、並べてみた

毎年2月の健診表を14年分並べて尿酸値の推移を確かめる様子

職員健診は毎年2月に受けています。
尿酸の測定があるのは2月回だけなので、
季節のずれを気にせず、同じ条件で並べられます。

年(2月)尿酸 mg/dL体重 kg
20136.679.8
20146.380.2
20157.281.3
20167.379.9
20177.076.7
20186.978.4
20196.477.8
20206.575.5
20216.177.4
20226.375.2
20236.277.9
20246.478.0
20256.570.1
20265.569.7
9.0 薬を考慮する目安(合併症なし) 7.0 高尿酸血症の定義(これを超える) 6.0 治療の目標(これ以下) 9.0 7.0 6.0 5.0 7.3 5.5 2013201520172019202120232025 職員健診(毎年2月)の血清尿酸値 mg/dL・2013〜2026年

いちばん高かったのは 2016年の 7.3 mg/dL。
いちばん低かったのが、今年の 5.5 mg/dL です。

14年のあいだ、痛風の発作は一度もなく
医師から尿酸について指導や薬の話が出たこともありません

つまり、この数字は誰にも注目されないまま
勝手に上がって、勝手に下がっていったことになります。

定義の線と、薬の線は、別の場所にある

高尿酸血症の定義・薬を考慮する目安・治療目標の3本の線を示す図解

並べてみて最初に知りたくなったのは、
「この数字は、どのくらい高かったのか」でした。

日本痛風・尿酸核酸学会のガイドラインでは、
線が3本、別の場所に引かれています。

血清尿酸値意味
定義の線7.0 mg/dL を超える高尿酸血症と呼ばれる
薬を考慮する線9.0 mg/dL 以上(合併症なし)
8.0 mg/dL 以上(腎障害・高血圧などあり)
発作がない人の目安
治療の目標6.0 mg/dL 以下薬を使う場合の着地点

私の 7.2 と 7.3 は、定義の線を確かに越えていました。
2015年と2016年の2回、私は数字の上では高尿酸血症でした。

けれど薬を考慮する線には、一度も近づいていません。

「尿酸が高い」と言われると、
すぐ薬が始まるものだと思っていました。

実際には、発作のない人に薬を考えるのは、
定義の線より 2 mg/dL も上でした。

そのあいだにあるのが、生活指導という広い帯です。

私はその帯の、いちばん下のほうを2年だけ歩いて
気づかないうちに帯の外へ降りていたようです。

出典:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版

痩せる前に、先に下がっていた

息が上がりきる手前の一定のペースで階段を登り降りするイメージ

グラフをもう1度見ると、
下がり始めたのは 13 kg 落とした2024年ではありません

2017年から2021年にかけて、7.0 から 6.1 へ。

この5年間、体重は 75〜78 kg のあいだを
行ったり来たりしていただけでした。

体重が動いていないのに、尿酸だけが先に下がっている。

「痩せたから下がった」では、この5年は説明がつきません。

この時期に始まっていたものを、ひとつだけ挙げるなら、
2015年から続けている階段の登り降りです。

ガイドラインの生活指導には、運動の項があります。

そこで勧められているのは有酸素運動で、
負荷の強い無酸素運動や脱水を伴う運動は、
むしろ尿酸を上げる、と書かれています。

1992年の東京女子医科大学の研究では、
自転車エルゴメーターの負荷を少しずつ上げていくと、
無酸素性の閾値を越えたところから初めて、
尿酸の材料になる物質(ヒポキサンチン)が血中に増えました。

閾値の下にとどめた運動では、増えなかったそうです。

私は階段で、心拍を 150 より上に上げないと決めています。
息が上がりきる手前で止める、それだけの決まりです。

その線が、たまたま尿酸の側から見ても
「上げない側」にあったのかもしれません。

ただ、そう言い切る材料は持っていません。
階段で下がった、とは書けない。

階段の登り降りを続けていた年に、下がっていた。

そこまでです。

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出典:Accelerated purine nucleotide degradation by anaerobic but not by aerobic ergometer muscle exercise

13 kg 落ちた年に、すぐには動かなかった

減量と尿酸値の変化を研究の平均値と自分の数字で並べた図解

今度は、痩せた側の2年を見ます。

2024年2月に 78.0 kg だった体重は、
朝晩2食に切り替えた半年後に 69 kg 台まで落ち、
そのまま今も 68〜70 kg で止まっています。

翌2025年2月の尿酸は 6.5

8 kg 落ちた直後なのに、前年の 6.4 とほとんど同じでした。

そして2026年2月、5.5

1年遅れて、いちばん下まで降りました。

2024年から2026年の2年間で、
体重は 8.3 kg 減、尿酸は 0.9 mg/dL 減

日本の健診データ約5.8万人を追った2024年の研究では、
10 kg 以上の減量で尿酸は平均 0.64 mg/dL 下がっていました。

向きも、桁も、私の数字とだいたい重なります。

1年遅れた理由は分かりません

ガイドラインには「急な減量で尿酸が一時的に上がることがある」
という注意書きがあり、2025年の 6.5 がそれだったのか、
ただの揺れだったのか、区別はつきません

5.5 も、まだ1回きりの数字です。

来年の2月に、同じあたりにいるかどうか。
答え合わせは、そのときにします。

出典:Weight Reduction and Target Serum Urate Level: A Longitudinal Study of Annual Medical Examination
Weight loss for overweight and obese individuals with gout: a systematic review of longitudinal studies

理由を、ひとつに決めない

尿酸値に関わる体重・運動・飲酒・水分・腎臓・食事・体質の7要素を示す図解

以前、11年続けても動かなかった数字のことを書きました。

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LDLコレステロールは、体重が落ちても何も変わらなかった。
尿酸は、その対になる「動いた数字」です。

ただ、動いた理由を、ひとつに決めるのはやめておきます。
尿酸に関わるものを、分かっている範囲で並べます。

  • 体重:2年で 8.3 kg 減りました
  • 運動の強さ:息が上がりきる手前で11年続けています
  • お酒:もともと体質的にほとんど飲めず、宴会がなくなった2020年以降は 1滴も飲んでいません
  • 水分:水を飲む習慣は8年前から変えていません
  • 腎臓:eGFR は 2019年以降 72〜88 のあいだで、大きく崩れていません
  • 食事:プリン体を数えたことは一度もありません
  • 体質:尿酸の高さには遺伝が関わることが知られています

このうち何が効いたのか、私には切り分けられません。

分かるのは、この7つがそろっていた14年のあいだに、
数字が線の内側へ静かに戻っていった、という事実だけです。

肝臓の数字は93 から 16 へ動き、
血色素量は20年間ほとんど動かず
LDLは動かなかった。
同じ身体の中で、数字ごとに返事が違います。
だから私は、健診表を1回の点でなく線で見るようになりました。

もしあなたの尿酸が 7.0 の少し上にあるなら、
それがどの線との距離なのかは、医師に聞くのがいちばん確かです。

私の数字は、私の身体でしか起きていないことだからです。

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まとめ:線の手前で、静かに下がっていく

線の手前で静かに下がっていく尿酸値の点を、鉛筆でつないだノートのイメージ

薬を「いつやめるか」の記事を読んで、
始める前に下がっていた自分の数字を、初めて眺めました。

誰にも注目されず、目標にもされなかった数字が、
毎年2月に1回ずつ、少しだけ違う場所に打たれていく。

14個の点をつないでみて、はじめて線になりました。

薬に至らなかった数字は、
がんばった年ではなく、続けていた年の中にありました。

来年の2月、15個目の点がどこに打たれるか。

それを見るために、次回も同じ階段を登り降りします。


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ひのとみのいしころ|静かに熱い40代の記録

おことわり

本記事は情報提供を目的としており、特定の効果・効能を保証するものではありません。

健康に関するご判断は、必ず医師・専門家にご相談ください。

本記事で使用した画像はNapkin AIを利用しています。

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