階段の登り降り・12時間ファスティング・水分習慣で変わる口の中:見えない健康のつくり方

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口腔ケアは歯ブラシだけじゃない? 毎日の “習慣” が口の中も変えていく

「歯磨きは毎日欠かさずしているのに、歯茎が腫れやすい」「口臭が気になる」——そんな悩みを抱えていた私が、日々の運動と生活リズムを見直す中で、ある変化に気づきました。

それは、体重や血圧の改善に続いて口の中の環境が明らかに良くなったという実感です。歯科検診では「歯周ポケットの状態が良いですね」と言われ、朝起きたときの口のネバつきもほとんど感じなくなりました。

特別なオーラルケアを増やしたわけではありません。変えたのは、「階段を登り降りすること」と「12時間食べない時間を設ける」という、ごくシンプルな習慣だけでした。

「そんなことで口の中が変わるの?」と思う方も多いでしょう。ですが近年の研究では、血流の改善炎症反応の軽減が口腔内の健康に与える影響が明らかになってきています。そして、そのキーワードこそが「運動」と「断続的なファスティング」なのです。

この記事では、私が実践して感じた変化と、それを裏付ける医学的な知見をもとに、「階段の登り降り+12時間ファスティング」が口腔内環境に与える意外な効果についてご紹介します。歯と歯茎を守る “新しい習慣” のヒントとして、参考になれば幸いです。

インターミッテント・ファスティングがもたらす口腔内の変化

インターミッテント・ファスティング(IF)は、1日のうち食事を摂る時間帯を限定する食習慣で、代表的な方法の一つが「12時間ごとに食事をする」というリズムです。私の場合は朝6時に食事を摂り、次は18〜20時くらいの間で次の食事、それ以外の時間は水や無糖飲料のみを摂るという、比較的取り入れやすい形式です。

このような習慣を続けることで、間食の頻度が減少し、口腔内の環境が改善される可能性があります。特に甘い飲み物やスナック菓子など、糖を含む食品の摂取頻度が下がることで、虫歯や歯周病の原因となる「酸性の時間帯」が短くなります。

糖を含む食品を口にすると、口腔内の細菌が糖を分解して酸を産生し、口内は急激に酸性に傾きます。このとき歯のエナメル質は溶けやすくなり、虫歯のリスクが高まります唾液にはこの酸を中和する作用があり、通常であれば食後20〜40分ほどでpHが中性に戻るとされています。

しかし、間食や糖分摂取の頻度が多いと、唾液による中和が間に合わず、常に酸性状態が続くことになります。これは歯の脱灰を慢性的に引き起こすため、口腔トラブルのリスクが大きくなります。

IFによって食事回数や糖分摂取の回数が減ると、唾液による自然な中和と再石灰化のプロセスが十分に働くようになり、口腔内の健康維持につながると考えられます。

また、IFは体内の炎症マーカーを減少させることが報告されており、これは歯茎の炎症や歯周病の予防にもつながる可能性があります。

出典:What Is the pH of Saliva?
The impact of intermittent fasting on oral health

階段昇降による血流改善と歯茎の健康

歯茎の健康のための運動サイクル

階段の登り降りなどの有酸素運動は、全身の血流を改善し、歯茎への血流も増加させます。これにより、歯茎の栄養供給や老廃物の除去が促進され、歯周病の予防につながります。また、運動は全身の炎症を軽減する効果があり、これが歯周病などの炎症性疾患の予防にも寄与します。

実際、運動不足が続くと、歯茎への血流が滞り、栄養や酸素の供給が不十分になります。これにより、歯周病菌が繁殖しやすくなり、歯周病のリスクが高まります。適度な運動は、歯茎の健康を維持するために重要です。

さらに、運動は免疫力を高め、ストレスを軽減する効果もあります。これらの効果が相まって、口腔内の健康を維持するのに役立ちます。階段の登り降りは、日常生活に取り入れやすい運動の一つであり、継続することで歯茎の健康をサポートできます。

出典:運動不足を解消して体も口も健康になろう

ファスティング中の水分摂取と唾液の役割

断続的断食中の口腔の健康サイクル

インターミッテント・ファスティング(IF)中に水や無糖のコーヒーなどを摂取することで、唾液の分泌が促進され、口腔内の乾燥を防ぎます。唾液は酸を中和し、歯を保護する役割を果たします。また、唾液のpHは通常6.2〜7.6の範囲にあり、酸性環境によるエナメル質の侵食を防ぎます。

唾液には、リゾチームやラクトフェリン、IgAなどの免疫物質が含まれており、歯周病菌や虫歯菌の増殖を防ぐ役割も果たしています。また、唾液のカルシウムやリンは、酸によって溶けたエナメル質を再石灰化する働きもあります。

ファスティング中に適切な水分を摂取することで、唾液の分泌が維持され、口腔内の健康を保つことができます。特に、無糖の飲み物を選ぶことで、虫歯や歯周病のリスクを低減できます。

出典:What Is the pH of Saliva?
How Sugar Causes Cavities and Destroys Your Teeth

習慣の相乗効果と健康の複利

健康的な習慣の相乗効果

階段の登り降り、インターミッテント・ファスティング(IF)、水分摂取という3つの習慣は、それぞれ単体でも健康効果が報告されていますが、同時に取り入れることで相乗効果が生まれます。

例えば、空腹時の階段登り降りは脂肪燃焼効率が高くなる一方で、筋肉の分解を防ぐには無理をしない強度で行う必要があります。この「適度な運動」によって交感神経が刺激され、唾液の分泌がさらに促される、という正の連鎖が考えられます。

また、これらの習慣がもたらす最大の恩恵は「複利的効果」です。最初は小さな変化でも、継続することで体の各システムに良い影響が波及していきます。運動とIFの組み合わせは、インスリン感受性の向上や脂肪燃焼の促進など、代謝の改善に寄与します。また、両習慣ともに炎症マーカーの減少が報告されており、慢性炎症の予防に効果的です。

このように、日常のシンプルな習慣が、口腔内の健康にも良い影響を与える可能性があります。ぜひ、階段の登り降りやIF、水分摂取といった習慣を取り入れて、健康的な生活を目指してみてください。

出典:運動不足を解消して体も口も健康になろう

合わせて読みたい

睡眠と口腔内環境:運動と食のリズムが整える夜の再生力

睡眠と口腔の健康のピラミッド

日々の階段登り降りと12時間ファスティングという習慣は、運動・食事・口腔環境に加えて、実は「睡眠の質」にも大きな影響を与えています。そして、この睡眠の質こそが、口の中の健康維持において見逃せない要素なのです。

夜間、私たちの身体は自律神経のバランスを整え、修復・再生モードに入ります。このとき、唾液の分泌量は日中よりも大幅に減少します。つまり、夜の口腔内は乾燥しやすく、細菌が繁殖しやすい環境になっているということです。だからこそ、夜の睡眠前までに口腔内を整えておくことが重要です。

ここで役立つのが、日中の「唾液分泌を促す生活習慣」です。運動による交感神経刺激、適切な水分補給、間食を避けることで唾液腺の働きを整えることが、夜間の口腔乾燥への備えになります。

また、インターミッテント・ファスティング(IF)により、夕食を早めに済ませると、消化器官が睡眠時に活発に働かずに済み深い睡眠が得られるようになります。これは口腔環境にも好循環をもたらします。深い睡眠は、身体全体の炎症やストレスを軽減し、歯茎の回復や免疫の維持にも貢献します。

さらに、階段の登り降りなどの有酸素運動は、日中のエネルギー消費を高めると同時に、夜間のメラトニン分泌を促進する効果もあることが分かっています。しっかりと眠れる夜が続くと、朝の口の中のスッキリ感や、日中の口臭の減少など、実感できる変化が表れやすくなります。

出典:Sleep tips: 6 steps to better sleep
How it improves sleep, additional health benefits, and why timing is crucial
Dry Mouth At Night: What Causes It and How to Prevent It

実感した変化と定期検診の結果

口腔健康の改善

上記3つの習慣を継続する中で、口腔内の健康状態が改善されたと感じています。歯茎の腫れが減少し、口臭も気にならなくなりました。また、定期検診では歯周ポケットの深さが浅くなったとの指摘を受けましたし、当初3ヶ月に1回くらい検診に来てくださいねと言われていましたが、今では6ヶ月に1回の検診で良くなっています。

これらの変化は、日々の習慣が口腔内の健康にも良い影響を与えていることを示しているのかもしれません。特別なオーラルケアを増やしたわけではなく、生活習慣の見直しによって得られた成果です。

今後もこれらの習慣を継続し、さらなる健康の向上を目指していきたいと思います。みなさまも、日常生活の中で取り入れやすい習慣から始めてみてはいかがでしょうか。

まとめ:今日から一段、始めてみませんか?

口腔ケア戦略の優先順位付け

歯ブラシやデンタルリンスだけではカバーしきれない「体の中からの口腔ケア」。だからこそ、生活習慣からアプローチする価値があります。歯科医院でのケアや高機能の歯磨き粉ももちろん有効ですが、日々の暮らしの中での小さな選択の積み重ねが、じつは大きな違いを生むのです。

「運動」と「リズム」――。この2つは、歯と歯茎の健康を守る上でも意外なほど効果を発揮してくれます。毎日少しずつでも体を動かすことで、血流が整い、炎症も軽減されやすくなります。そして食事の間に時間を空けることは、口の中を酸性から中性へと戻す唾液の働きをサポートする、自然な「歯の休息時間」になります。

あなたも、まずは今日から一段ずつでも多く、階段を登ってみませんか? 息が上がるほどでなくても構いません。「習慣として続けられる強度」が、結果的に最も大きな変化を生みます。

また、夕食後から翌朝の間を「ファスティング時間」として意識してみてください。夜食・夜遅くの間食を控えるだけでも、体のリズムが整い、翌朝の口内環境も驚くほどスッキリするはずです。

健康は、歯からも始まる。そして歯の健康もまた、日々の習慣から育まれていくものです。だからこそ、「今日からの一段」が、未来の自分を大きく変えてくれるのです

おことわり

本記事は筆者個人の健康診断結果と経験に基づくものです。記載内容は一般的な医療アドバイスではなく、読者の皆様の健康状態については必ず医療専門家にご相談ください。また、本記事の情報は執筆時点のものであり、最新の医学的知見とは異なる可能性があります。

本記事で使用した画像はNapkin AIを利用しています。

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この記事を書いた人

“じみ” に “もくもく” と “すきなこと” を “継続する” ことが最近の楽しみです。

『人生を自由に楽しく』が目標です。

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