健康も “複利” で増やせる時代へ
毎日の小さな習慣が、将来の自分をつくっていきます。それが「健康」に関することなら、なおさら見逃せない力になります。
健康は、続ければ続けるほど成果が積み上がる “複利” のようなもの。最初は小さな変化でも、日々の積み重ねがやがて大きな結果へとつながっていきます。
私が日々実践している「階段の登り降り」も、まさにその “複利” を実感できる習慣です。体重は13 kg減、血流や体調にも明らかな変化が現れ、気づけば「階段を登り降りすること」が生活の一部になっていました。
この習慣は、忙しい40代にもぴったり。特別な道具もジムも不要で、いつでもどこでも始められる。だからこそ、今から始めれば将来の「健康資産」になるのです。
複利とは何か? 健康にどう関係する?

「複利」と聞くと、まず思い浮かぶのはお金の話かもしれません。たとえば、100万円を年利5%で運用した場合、1年後には105万円になりますが、2年目はその105万円に5%の利子がつくことで、金額はさらに増えていきます。このように、元本だけでなく利子にも、利子がつく仕組みが「複利」です。
みなさまもお気付きかもしれませんが、健康にもこの複利的な性質があります。たとえば、階段の登り降りを1日に1回でも、何日かに1回でも続けることで、わずかながらも筋肉がつき、心肺機能が鍛えられ、血流が良くなります。これらの変化は一日単位では目に見えにくいものの、1週間、1か月、半年と続けていくことで、体のベースそのものが変化していきます。
そして興味深いのは、その変化が相乗効果を生む点です。筋力がつけば活動量が増え、代謝も上がりやすくなります。体調が整えば自然と食事にも気を配れるようになり、睡眠の質も改善する――こうした「よい循環」が連鎖的に生まれていくのです。
つまり、健康習慣を継続するということは、自分の身体に「利息をつけていく」行為。最初は微々たる変化でも、数年後には大きな成果となって現れます。
階段昇降は “複利効果” が特に高い理由

日々の健康習慣の中でも、「階段の登り降り」は特に複利効果が高い運動のひとつです。その理由は、大きく分けて3つあります。
短時間でも高強度な運動になる
階段の登り降りは、見た目以上に心拍数が上がる運動です。これにより、運動後過剰酸素消費(EPOC)と呼ばれる「運動後もしばらく脂肪燃焼が続く」状態が得られます。つまり、運動していない時間も含めて “得をする” という点で、まさに複利型の効果です。
この “運動貯金” とも言える状態は、体内の代謝を長時間活発に保つことができ、日中の活動効率や集中力の向上にもつながります。さらに、こうした運動の繰り返しが心肺機能の底上げにつながり、持久力アップや疲れにくい体の土台を作ってくれます。
特に日常生活で息切れしにくくなったり、階段登り降り以外の動作も楽に感じるようになるのは、複利効果が発揮されている証拠です。

無理なく習慣化しやすい
ジムに通う必要も、天候に左右されることもありません。自宅や職場、駅など、生活の中で「いつでも・どこでも・何回でも」取り入れられる。“続けやすさ” そのものが複利の起点になっているのです。
また、周囲に気づかれずにできるという「心理的なハードルの低さ」も、階段の登り降りが継続しやすい理由の一つです。たとえば忙しい日でも、1〜2分だけでも実践できるという安心感は、習慣化を妨げる “完璧主義” を回避するのに役立ちます。始める敷居が低い運動だからこそ、長く続けられ、結果として大きな複利を生むのです。

体のあちこちに同時に効く
階段の登り降りは、下半身の筋肉(特に大腿四頭筋・臀筋)だけでなく、心肺機能、骨密度、血流改善にも好影響があります。さらに、姿勢やバランス感覚も鍛えられ、転倒予防や腰痛対策にも。これらの多面的な効果が同時進行で積み重なっていくため、まさに健康の「複利装置」と言えるでしょう。
これらは単体でも健康効果がある要素ですが、階段登り降りではそれらが “同時に” 鍛えられます。例えば、階段を降りる動作ではブレーキをかける筋肉が使われ、関節や靭帯の安定性が高まります。
また、リズムよく登る動作は呼吸筋にも刺激を与え、呼吸の効率が上がることで精神的なリラックス効果も期待できます。こうした “実は全身型のトレーニング” が、健康という大きな土台を支えてくれるのです。




実体験からわかる “複利” の実感

私自身も、最初は「1日5分だけ登り降りする」から始めました。当初は3階分程度登っただけで息が上がり、足もすぐに疲れていました。しかし2週間、3週間と続けていくうちに、自然と階段のスピードが上がり、足取りも軽くなってきたのです。
ある日、ふと気がついたのは、「駅のエスカレーターではなく、階段を自分から選んで登っていた」ということ。しかも、疲れを感じない。これは小さなことのようでいて、自分の中では大きな変化でした。
さらに血液検査では、階段の登り降りを始める前よりも中性脂肪と血糖値などが安定し、医師からも「運動、何かされてますか?」と聞かれるように。体力がついたことで休日の外出も増え、結果としてメンタル面も前向きになっていきました。
こうして、小さな習慣がいくつもの好循環を生み出し、健康の基盤がじわじわと底上げされていった実感があります。まさに、これが “健康の複利” です。
複利を最大化するためのコツ

健康の複利効果を最大限に引き出すには、「継続」と「意識」が重要です。ただ階段を登り降りするだけではなく、少しの工夫でその効果は何倍にも膨らみます。
「毎日」動くことが最強の投資
複利の原則は “続けること” です。1日や2日だけ精一杯がんばるより、毎日少しづつでも継続する方が長期的には圧倒的に差が出ます。たとえば「エレベーターを使わず1階分だけ階段にする」といった小さな習慣でも十分な元本になります。
忙しい日でも、少しの運動を確保する意識が、長期的に大きな成果をもたらします。たとえ時間がなくても、「階段を一段ずつ意識して登る」「通話中に階段を登る」など、日常生活と組み合わせて運動機会を逃さない工夫が重要です。
「ちょっとだけ」を何度も積み上げる
一度に長時間運動するのではなく、1日に何度も階段を使うようにする方が、習慣として定着しやすく、疲労もたまりづらいかもしれません。これは “健康利息” の分散投資 とも言える考え方です。
「午前に3階分、午後に5階分」というように分散することで、精神的ハードルも下がり、毎日自然に動くようになります。これにより、無理なく回数を増やすことができ、複利効果の加速が期待できます。
記録することで “見える成果” に
日々の階段登り降りの回数や気づいた変化をメモしておくと、積み重ねの実感が得られ、モチベーションも維持できます。アプリやスマホのメモ、ブログなどで「資産運用レポート」のように記録しておくと、自己肯定感にもつながります。
記録することで、過去との比較ができ、停滞期のモチベーション維持にもつながります。グラフ化したり、週ごとの平均回数を出したりすることで、自分の成長を「視覚化」しやすくなり、継続の強力な後押しになります。

他の習慣との “複利連携”
例えば、階段の登り降りに断続的断食(例:12時間空ける)や、質の良い睡眠、食事改善を組み合わせると、それぞれの効果が互いに強化し合います。複利の “複利” とも言える強力な健康資産形成法です。
特に、睡眠の質が高まれば翌日の運動意欲も上がり、食事の改善によって体重が安定すれば膝や関節への負担も軽くなります。こうした「一つの習慣が次の好影響を呼ぶ」連携が、複利的な健康の伸びを加速させていきます。


まとめ:健康の複利は、あなたの味方になる


健康づくりにおける複利の概念は、一朝一夕では実感できないかもしれません。ですが、確実に、そして着実に身体の「資産価値」は高まっていきます。
階段の登り降りというシンプルな行動こそが、時間とともに大きなリターンを生み出す投資なのです。
継続の力は、健康の基盤を作り変えていきます。最初の数週間、数か月は結果が見えづらくても、それが習慣になったとき、驚くほどの変化が訪れるのです。まるで定期預金のように、気づけば大きなリターンになって返ってきます。
これは、若い人だけの話ではありません。40代、50代、60代からでも十分に間に合います。むしろ、これからの人生を健康に過ごすための “投資先” として、これほど確実なものはないと断言できます。
健康は、人生の質を決める最も重要な基盤です。そしてその基盤は、地道な積み重ねによってしか築くことができません。階段を一段登るたびに、あなたの未来が少しずつ明るくなっていく。そう思えるよう日々を重ねていきましょう。
習慣は裏切りません。たとえ途中で少し休んでも、また戻れる場所があるのが「階段」という存在です。特別な道具も、お金も必要ありません。必要なのは、少しの意志と、毎日の小さな選択です。
だからこそ、今日から一段ずつ、始めてみませんか? あなたの健康習慣づくりにも、階段の登り降りがきっと役立ちます。未来の自分のために、今日の一段が大きな価値を生む。その第一段が、階段から始まるのです。
おことわり
本記事は筆者個人の健康診断結果と経験に基づくものです。記載内容は一般的な医療アドバイスではなく、読者の皆様の健康状態については必ず医療専門家にご相談ください。また、本記事の情報は執筆時点のものであり、最新の医学的知見とは異なる可能性があります。
本記事で使用した画像はNapkin AIを利用しています。