私が実感した変化:肌の調子、疲労感…こんな効果も? 継続したからこそ気づけた、うれしい副産物
「AGEs(終末糖化産物)」という言葉を聞いたことはありますか? これは、体内で余った糖とタンパク質が結びついてできる物質で、加齢や生活習慣病、さらには肌の老化などと深く関係していることがわかってきました。まるで体の中で“コゲ”ができてしまうような現象――それがAGEsの正体です。
では、どうすればこのAGEsを減らせるのでしょうか?カギとなるのは、血糖値の急上昇を防ぐこと。そしてもう一つ、忘れてはならないのが「運動」です。中でも、階段の登り降りのような軽めの有酸素運動には、AGEsの生成を抑える可能性があるのです。
私自身、40代になって健康の大切さをより実感し、階段の登り降りを習慣にするようになってから、体調だけでなく肌の調子にも変化を感じています。「糖化」という視点で健康を見直してみると、日々の運動の価値がまた一段と深まってきました。
この記事では、AGEsとは何かをわかりやすく解説しつつ、なぜ階段の登り降りがその対策として有効なのかを科学的な根拠とともにご紹介します。
だからこそ、今日から一段ずつ、始めてみませんか? あなたの体の中の“コゲ”を防ぐ、シンプルだけど確かな健康習慣として。
AGEs(終末糖化産物)ってなに?その正体とリスク

AGEsとは何か?
AGEs(Advanced Glycation End Products、終末糖化産物)は、糖とタンパク質または脂質が非酵素的に結合することで形成される化合物です。このプロセスは「糖化」と呼ばれ、体内で自然に起こる現象ですが、過剰に進行すると健康に悪影響を及ぼします。
AGEsは体内のさまざまな組織に蓄積し、酸化ストレスや炎症反応を引き起こすことで、老化や慢性疾患の進行に関与しています。特に、糖尿病、心血管疾患、腎疾患、アルツハイマー病などとの関連が指摘されています。
AGEsの生成と蓄積のメカニズム
AGEsは、体内での糖化反応や食事から摂取されるAGEsによって蓄積されます。特に、血糖値が高い状態が続くと、AGEsの生成が促進されます。また、高温で調理された食品(揚げ物、焼き物など)はAGEsの含有量が高くなる傾向があります。
AGEsは体内で分解されにくく、長期間にわたって蓄積されます。これにより、細胞や組織の機能が損なわれ、さまざまな健康リスクが高まります。
AGEsが引き起こす健康リスク
- 糖尿病とその合併症:
- AGEsは血管内皮細胞にダメージを与え、動脈硬化を促進します。
AGEsはインスリンの作用を阻害し、インスリン抵抗性を高めることで、糖尿病の悪化を招きます。
- AGEsは血管内皮細胞にダメージを与え、動脈硬化を促進します。
- 心血管疾患:
- AGEsの蓄積により、血管の弾力性が低下し、動脈硬化が進行します。
AGEsは低密度リポタンパク質(LDL)の酸化を促進し、動脈壁への沈着を助長します。
心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まります。
- AGEsの蓄積により、血管の弾力性が低下し、動脈硬化が進行します。
- 腎疾患:
- 腎臓はAGEsの排出に重要な役割を果たしますが、AGEsの蓄積により腎機能が低下します。
AGEsは腎臓の糸球体や尿細管にダメージを与え、慢性腎疾患や腎不全の進行を促進します。
- 腎臓はAGEsの排出に重要な役割を果たしますが、AGEsの蓄積により腎機能が低下します。
- アルツハイマー病などの神経変性疾患:
- AGEsは脳内での酸化ストレスや炎症反応を引き起こし、神経細胞の機能を損ないます。
AGEsはアミロイドβタンパク質の蓄積を促進し、アルツハイマー病の進行を助長します。
- AGEsは脳内での酸化ストレスや炎症反応を引き起こし、神経細胞の機能を損ないます。
- 肌の老化:
- AGEsの蓄積により、皮膚のコラーゲンやエラスチンが硬化し、弾力性が失われます。
シワやたるみが生じやすくなります。
- AGEsの蓄積により、皮膚のコラーゲンやエラスチンが硬化し、弾力性が失われます。
出典:Advanced Glycation End Products in Disease Development and Potential Interventions
Advanced glycation end-product
What Are Advanced Glycation End Products (AGEs)?
Advanced glycation end product level, diabetes, and accelerated cognitive aging
AGEsの蓄積を防ぐために

AGEsの蓄積を防ぐためには、生活習慣の改善が有効です。
- 血糖値の管理:
- 適切な食事と運動により、血糖値を安定させることが重要です。
- 調理法の工夫:
- 高温での調理を避け、蒸す、煮るなどの調理法を取り入れることで、食品中のAGEsの生成を抑えることができます。
- 抗酸化物質の摂取:
- ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質を含む食品を摂取することで、AGEsの生成を抑える効果が期待できます。
- 定期的な運動:
- 有酸素運動や筋力トレーニングを継続的に行うことで、AGEsの蓄積を防ぐことができます。
AGEsの蓄積はさまざまな健康リスクを高める要因となりますが、日々の生活習慣を見直すことで、その影響を軽減することが可能です。
特に、階段の登り降りのような日常的な運動を取り入れることは、AGEsの蓄積を防ぐ上で効果的です。健康的な生活を送るために、AGEsの影響を理解し、適切な対策を講じることが大切です。

出典:AGEs 終末糖化産物
なぜ階段の登り降りがAGEs対策に向いているのか

食後の階段昇降が血糖値を効果的に抑制
食後の軽い運動が血糖値の急上昇を抑えることは広く知られていますが、特に階段登り降りはその効果が顕著です。2016年の研究では、2型糖尿病患者が食後60分および120分に3分間の階段昇降を行ったところ、血糖値の低下が確認されました。この結果は、食後の短時間の階段昇降が血糖値の管理に有効であることを示しています。
さらに、2024年の研究では、若年成人が食後に1分間の階段昇降を行っただけで、インスリンと血糖値のピークが低下し、3分間の運動ではインスリン抵抗性の改善が見られました。これらの結果は、短時間の階段昇降が食後の血糖管理に効果的であることを示しています。
EPOC効果による代謝の持続的な促進
階段昇降は中強度から高強度の運動に分類され、運動後過剰酸素消費(EPOC)効果を引き起こします。EPOCとは、運動後も酸素消費量が増加し、エネルギー消費が続く現象です。この効果により、運動後も代謝が高まった状態が持続し、血糖値の管理やAGEsの生成抑制に寄与します。

階段昇降の実践的な利点
- 手軽さ:
- 特別な器具や場所を必要とせず、日常生活の中で取り入れやすい。
- 時間効率:
- 短時間(1〜3分)の運動でも効果が期待できる。
- 継続性:
- 習慣化しやすく、長期的な健康維持に貢献。
こうした特性が揃っているからこそ、階段の登り降りは “続けられる運動” として、日々の生活に取り入れやすいのです。

出典:Just 3 Minutes of Exercise May Help Lower Blood Sugar After Dinner, According to New Research
日常にAGEs対策を取り入れる! 階段活用法

「運動は続けるのが難しい」と感じる人も、階段の登り降りなら生活の中に無理なく組み込めるのではないでしょうか。
- 昼食後にビルの階段を5〜10分だけ登り降り
- 自宅や駅でエスカレーターではなく階段を選ぶ
- 毎日決まった時間に“階段タイム”を設定する
特に、食後30〜60分のタイミングで軽い階段の登り降りを行うと、血糖値のピークを抑える効果が期待できます。
短時間でも「習慣」にすることで、確かな違いが現れるはずです。
私が実感した変化:肌の調子、疲労感…こんな効果も?

私が階段の登り降りを本格的に始めたのは30代後半からでした。ダイエット目的ではありましたが、続けていくうちに、体重減少以上の変化を感じ始めました。
具体的には:
- 肌のくすみが減り、明るくなった
- 夕方の疲れが減り、仕事の集中力が続く
- 寝起きがスムーズになった
これらはあくまで私個人の感覚ではありますが、AGEsの蓄積が少しずつ抑えられている可能性があると感じています。
「老化のスピードをゆるめる」という表現が、以前より実感を伴って理解できるようになりました。
まとめ:今日から始める「抗糖化習慣」のすすめ


AGEsは、老化や病気のリスクを高めるだけでなく、「見た目の老け」を加速させる要因でもあります。しかしその進行は、日々の選択である程度コントロールできます。
階段の登り降りは、シンプルだけど科学的にも意味のある習慣です。「AGEs対策」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、まずは身近な階段から始めてみてください。
あなたの健康習慣づくりにも、階段の登り降りがきっと役立ちます。今日から一段ずつ、AGEs対策を始めてみませんか? 毎日の階段が、あなたの未来の体を変えていきます。
おことわり
本記事は筆者個人の健康診断結果と経験に基づくものです。記載内容は一般的な医療アドバイスではなく、読者の皆様の健康状態については必ず医療専門家にご相談ください。また、本記事の情報は執筆時点のものであり、最新の医学的知見とは異なる可能性があります。
本記事で使用した画像はNapkin AIを利用しています。