ただそれだけの動きを、私は10年以上続けてきました。
ある日、ふと思ったのです。
これはもしかしたら、
自分にとっての “小さな研究” なのかもしれない、と。
そう思わせてくれたのは、ある1本のテレビ番組でした。
あるテレビ番組で感じたこと

2026年3月8日、NHK総合で 「上皇さまとハゼ 〜研究者の素顔〜」 という番組が放送されました。
上皇さま(明仁さま)は、皇太子時代から60年以上にわたり、
日本のハゼ類の分類研究を続けてこられました。
ご退位後の今も、御所の研究室で、
顕微鏡をのぞき、標本を観察し、論文を書き続けておられます。
番組の中で印象に残ったのは、
ハゼという、世の中の多くの人にとっては地味な対象。
それを 60年以上 観察し続けてこられた姿に、
何か大切なことが詰まっているように感じました。
私はそこに、
自分が階段を登り降りしてきた10年と、
かすかに重なるものを感じたのです。
同じく自然番組をきっかけに広がった、もうひとつの内省です。
長老のチーターの姿から、
“強さ” のかたちが反転した話を書きました。
→ 勝つ強さより、続く強さ ― 階段の登り降りと、自然界の長老が教えてくれた寛容のしなやかさ

研究とは「楽しんで学び続けること」

研究、という言葉を聞くと、
多くの人はこんなイメージを持つかもしれません。
たしかに学術的な研究はそうです。
けれど、本来 “研究” という営みの本質は、
もっとずっと素朴なものだと思うのです。
それは、
対象は、ハゼでも、星でも、料理でも、植物でも、
あるいは、自分自身の身体でも構わないのだと思います。
楽しみながら学び続けることそのものが、
研究という営みなのではないでしょうか。
私の小さな研究テーマ「階段の登り降り」

そう考えると、
私にとっての研究テーマは、
ずっと 階段の登り降り だったのかもしれません。
10年以上、地上6階の階段を
週に2〜3回、登っては降りてきました。
そのうちの3年7ヶ月は、
スマートウォッチで計測も続けています。
数字だけ見ると地味な記録です。
けれど、この数字の裏で、
私はずっと小さな観察を重ねてきました。
たとえばこの間(2026年5月11日朝)、
有酸素ゾーンが44分51秒、
無酸素ゾーンが12分10秒。
この心拍の “ゆらぎ” を見ながら、
と身体の状態を読み取るようになりました。
3年7ヶ月の記録を振り返ると、
季節ごとに心拍の表情が違うことにも気づきます。
同じ階段、同じ自分でも、
季節がいちど身体を通り抜けていく。
そんな観察ができるのも、
続けてきた人だけの楽しみです。
どれも、続けながら観察してきたから気づけたことです。
(詳しくは こちらの記事 で書いています)

これは間違いなく、
私にとっての 小さな研究 なのだと思うようになりました。
生涯研究者という生き方

人生の過ごし方には、
大きく2つの方向があるように思います。
消費型の人生
ひとつは、
次々に新しい刺激を 消費 していく生き方です。
それ自体は悪いことではありません。
ただ、消費は積み上がりません。
昨日の刺激は、
今日にはもう古いものになっています。
気がつくと、
時間だけが過ぎていることが少なくないのです。
探究型の人生
もうひとつは、
ひとつの対象を 観察し続ける 生き方です。
上皇さまのハゼのように、
探究型は、
年齢を重ねるほど面白くなっていく性質があります。
40代は、
この探究型の人生に静かに切り替えるのに、
ちょうどよい年齢なのかもしれません。
探究型に切り替えると、
時間の感じ方も少しずつ変わってきます。
朝の数十分が、
ただ過ぎていく時間ではなく、
“観察に使える時間” として
静かに立ち上がってくるのです。
健康と資産がそろうと、研究人生はさらに自由になる

ただ、好きなことを観察し続けるためには、
最低限の土台が必要だと感じています。
それが、
3つの資産です。
健康資産
まず、身体が動くこと。
どんなに知的好奇心があっても、
身体が動かなければ研究は続きません。
階段の登り降りで積み上げてきたのは、
体重や血液データの改善だけではありません。
“自分の脚で歩き続けられる” という
見えない健康資産そのものです。
(健康資産の複利的な積み上げ については、別記事で詳しく書いています)

金融資産
次に、お金の不安が小さいこと。
派手な富である必要はありません。
ただ、
「明日の生活費」に追われない程度の余白があると、
人は自分のテーマに静かに向き合うことができます。
金融資産は、
研究の自由を守ってくれる “防具” のような存在です。
知的資産
そして、観察してきた記録と気づき。
これが、自分だけの知的資産です。
階段の登り降りで言えば、
誰かに教わったものではない、
自分の身体を通して得た知見。
この3つがそろうと、
人生はだんだん 自由研究 のような姿になってきます。
それを許してくれる土台が、3つの資産なのです。
もちろん、3つの資産が最初から完璧にそろっている必要はありません。
むしろ、研究を始めたから少しずつそろっていく、
というのが本当のところです。
今日の一段が、すべての出発点です。
人生のテーマをひとつ持つ

人生のテーマは、
なんでもいいのだと思います。
大切なのは、
ひとつのテーマを 10年、20年と続けてみる こと。
そして、その中で
小さな観察を積み重ねていくことだと思います。
あなたが10年続けたら、
“研究” と呼べそうなものは、
何でしょうか。
もし今、まだ見つかっていなくても焦らなくて大丈夫です。
今日から始めたものが、
10年後にはあなたの “テーマ” になっています。
毎日を小さな研究として続けることと、改善し続けることの関係は、こちらでも考えました。
「続けることと、改善すること|11年同じ階段の登り降りをしながら考えた」

まとめ:続けることが、人生を研究にする

ただ、
それを、
10年、20年と続けていく。
上皇さまのハゼ研究のように、
私たちもひとり一人、
自分なりの 生涯研究者 になれるのだと思います。
今日もまた、
私は私の小さな研究を続けていきます。
おことわり
本記事は情報提供を目的としており、特定の効果・効能を保証するものではありません。
健康に関するご判断は、必ず医師・専門家にご相談ください。
本記事で使用した画像はNapkin AIを利用しています。

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