階段の登り降り vs ランニング vs ウォーキング:40代から始める “続けられる” 運動はどれ?

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どれが効く? どれが続く?  3大有酸素運動を比べてみました

「健康のために運動を始めたいけれど、ランニングは膝や腰が心配、ウォーキングは効果が出るまでに時間がかかりそう…。そんな悩みを持つ40代・50代の方は多いのではないでしょうか。私自身、運動が得意だったわけではありません。でも、そんな私でも “続けられた” 運動があります。それが『階段の登り降り』でした。

特別な道具もウェアもいらない。仕事の合間や帰宅途中、自宅や職場の階段を使って、少しずつ、でも確実に続けた結果、13 kgの減量に成功しました。体調も良くなり、血液検査の結果も改善し、何より “習慣として定着した” ことが大きな変化でした。

今回は、有酸素運動の代表格である『階段の登り降り』『ランニング』『ウォーキング』の3つを比較し、それぞれのメリット・デメリットを検証します。カロリー消費や運動強度といった “効く” 面はもちろん、生活の中で無理なく続けられる “習慣化” という視点からも掘り下げていきます。

「運動は続かない」と思っていたあなたへ。この記事が、自分に合った健康習慣を見つけるヒントになればうれしいです。

各運動の特徴とメリット

持続可能なフィットネスのための運動強度とアクセスの比較

ウォーキング:最も取り組みやすいが、時間はかかる

ウォーキングは、有酸素運動のなかでも特に始めやすく、継続しやすい運動として知られています。関節や筋肉への負担が少なく、高齢者や運動初心者でも安心して取り組めるのが最大のメリットです。通勤・買い物・散歩など日常の動作と組み合わせやすく、わざわざ「運動時間」を確保しなくても始められます。

一方で、脂肪燃焼や筋力アップを期待するには「まとまった時間」が必要です。一般的には1回30分以上、週5回以上の実施が理想とされており、忙しい生活の中でそれを維持するのは容易ではありません。また、身体にかかる負荷が軽いぶん、代謝向上や筋肉の刺激といった面では少々物足りなさを感じる人もいます。

ランニング:高いカロリー消費、でも続けにくい?

ランニングは、有酸素運動の中でも最も運動強度が高く、カロリー消費効率が良いことで知られています。特に脂肪燃焼や持久力向上を目的とする方にとって、短時間でしっかり効果を得られる点が魅力です。例えば60 kgの人が30分間走ると、おおよそ300〜400 kcal程度のエネルギーを消費します。

しかし、高強度であるがゆえに、関節や筋肉への負担も大きくなります。膝、足首、腰などを痛めやすく、正しいフォームや靴選びが不可欠です。加えて、天候や気温といった外部環境の影響を受けやすく、雨の日や真夏・真冬には継続が困難になることも多いです。モチベーションが続かなければ、一度途切れると再開するハードルが高くなってしまいます。

階段昇降:短時間で効率よく、有酸素+筋トレの効果も

階段の登り降りは、「歩く」と「走る」の中間にあたる運動強度を持ちながら、時間効率と脂肪燃焼効果の高さが特徴です。階段の登り降りは4〜8 METsに相当し、これは平地歩行の2〜3倍の消費エネルギーに匹敵します。つまり、10分の階段登り降りは、20〜30分のウォーキングと同程度の運動効果があるということです。

さらに注目すべきは、全身の中でも特に大きな筋肉群(大腿四頭筋、ハムストリングス、臀筋)を効果的に鍛えられる点です。筋力アップ=基礎代謝の向上に直結し、太りにくい体質づくりに寄与します。また、階段の登り降りはHIIT(ヒット:高強度インターバルトレーニング)的な刺激にもなりやすく、EPOC(エポック:運動後過剰酸素消費)による“アフターバーン効果”が得られるため、運動後も脂肪燃焼が継続します。

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出典:「健康づくりのための身体活動基準2013」及び「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」について
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継続性の比較:運動は “習慣” になってこそ意味がある

運動習慣のサイクル

ウォーキング:始めやすいが、続けるには時間確保がカギ

ウォーキングは取り組みやすさの面では非常に優れていますが、その反面「日常動作の延長」として軽視され、効果を実感できないままやめてしまうケースもあります。継続には “目的” と “変化の実感” が大切ですが、ウォーキングは身体の変化がゆっくりであるため、「やっているのに痩せない」「効果が見えない」と感じてしまうことが多いのです。

また、天気が悪い、仕事が長引いた、予定が入った──そんなちょっとした理由で、1回飛ばし、2回飛ばし…と、残念ながら徐々にフェードアウトするパターンもよく見られます。

ランニング:意欲が必要、体調や天候の影響も大きい

「よし、やるぞ!」と一念発起してランニングを始めたものの、三日坊主で終わってしまった…という話はよくあります。ランニングは確かに効果が高い反面、始めるための気力、継続するための時間、体のケアのための知識など、“要求されるもの”も多いのです。

特に40代以降では、運動による回復力も若い頃に比べて落ちているため、無理をして故障するリスクも上がります。一度でも膝や足首を痛めると、恐怖心が残って継続が難しくなることも。また、天候や日照時間に左右されやすい屋外運動であることも、日常に取り入れにくい要因のひとつです。

階段昇降:生活に組み込みやすく、途切れにくい習慣に

階段の登り降りは、“習慣化しやすい構造”をもっています。なぜなら、特別な時間を取らなくても、日常生活の中に “すでに存在している場所” でできるからです。

たとえば職場や自宅の階段、駅の階段など、いつも通る場所を少し意識して使うだけで運動になる。その気軽さこそが、継続の最大の鍵です。

階段の登り降りは「時間」「場所」「天候」といった外的要因の影響を受けにくいのが大きな強みです。職場や自宅の階段を使って “ながら運動” として取り入れられるため、特別な時間を設ける必要がありません。

実際、私自身も「身近な階段で6階を登り降り」「昼休みに5分だけ階段往復」など、日常の中で無理なく継続できたからこそ、13 kgの減量につながりました。

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また、達成感が得やすいのもポイントです。1回上るだけで息が上がり、汗をかく。この “手応え” が「やった感」として脳に快感を与え、ドーパミンの分泌を促します。このサイクルが、運動の継続を脳レベルで後押ししてくれるのです。

さらに、脳の報酬系を刺激して「続けたくなる仕組み」をつくることも可能です。以下の記事では、脳の働きと習慣化のメカニズムについて詳しく解説しています。

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効果の比較:時間対効果で見る「どれが効く?」

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ウォーキング:継続が前提。体へのやさしさは魅力だが、効き目はゆるやか

ウォーキングは、心肺機能の改善や血行促進、ストレス軽減といった健康効果が科学的にも証明されています。特に高血圧や糖尿病といった生活習慣病の予防には効果的で、体への優しさと安全性は他の運動よりも抜きん出ています。

しかし、「時間対効果」という観点ではやや物足りなさがあります。脂肪を燃やすには有酸素運動を20分以上継続する必要があるとされており、ウォーキングで体脂肪を減らすには最低でも30分以上の連続歩行が必要です。体重60 kgの人が30分歩いた場合の消費カロリーはおよそ100〜120 kcal程度にとどまります。

加えて、筋力アップや基礎代謝の向上を目的としたい場合には、ウォーキング単体ではやや弱く、併用トレーニングが必要になるケースもあります。

ランニング:即効性の高い脂肪燃焼 だが “燃え尽き” リスクにも注意

ランニングは、短時間で高いエネルギー消費が得られる代表的な有酸素運動です。速度や傾斜、インターバルを工夫すればHIIT的な要素を取り入れることも可能で、代謝促進・脂肪燃焼・心肺機能強化など、全方位的に体を鍛えられます。30分のランニングで300〜400 kcal前後を消費できるのは大きな魅力です。

また、ランニング後の「気分がすっきりする」「ストレスが軽減される」といった感覚は、エンドルフィンやセロトニンといった“幸福ホルモン”の分泌によるもので、メンタルケアの面でも注目されています。

ただし、運動強度が高いため、疲労や筋肉痛も蓄積しやすく、継続する中で「燃え尽きてしまう」ケースも少なくありません。また、負荷の高い着地動作が膝・腰・足首にダメージを与えることもあり、特に40代以降では関節痛などによる運動離脱が大きなリスクになります。

階段昇降:有酸素×筋トレ×EPOCの “複利効果”

階段の登り降りは、脂肪燃焼効果に加えて筋力アップや代謝向上といった複合的な効果を持つ “時短×高効率” の運動です。わずか5〜10分の階段登り降りでも、心拍数は急上昇し、筋肉への刺激も十分。そのため、忙しい40代以降のライフスタイルにも非常にフィットします。

具体的には、階段昇降は4.0〜8.8 METsに相当し、これは平地歩行の2〜3倍、ランニングにも迫るエネルギー消費です。さらに注目すべきは、EPOCという “運動後も脂肪が燃え続ける” 仕組みを自然に活用できる点です。HIIT的な断続運動に近いため、アフターバーン効果によって運動後数時間にわたって代謝が高まります。

また、階段の登り降りでは下半身の大きな筋群(大腿四頭筋、ハムストリングス、臀筋など)を多く使うため、筋肉量の維持や増加にもつながり、基礎代謝の向上 =「痩せやすい体」づくりに直結します。

さらには、血流改善、骨密度の維持、姿勢改善、バランス感覚の向上といった健康効果も報告されており、 “単なる有酸素運動” 以上の総合的メリットを持つ運動と言えます。

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出典:改訂第 2 版 『身体活動のメッツ(METs)表』 成人版
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実体験ベースでの結論:無理なく、確実に変われたのは「階段昇降」だった

実際に13 kgの減量を達成した筆者が振り返って思うのは、「運動の効果」だけでなく「続けやすさ」こそが、成功の最大の要因だったということです。

正直、ランニングは何度か挑戦しましたが、脚の痛みや天気の悪さを理由に長続きしませんでした。ウォーキングも、一時期は夕方に近所を歩く習慣を持っていましたが、忙しい日が続くとすぐに途切れてしまいました

その点、階段の登り降りは違いました。通勤先のビル、自宅の階段、外出先の駅──「そこに階段があればできる」運動であることが、習慣としての継続を可能にしました。
しかも、階段の登り降りにはウォーキング以上の脂肪燃焼効果があり、短時間で心拍数が上がるため「運動した」という実感がしっかり得られます。わずか10分でも汗ばむほどで、日々の積み重ねがダイエット成功へとつながりました。

そして何よりも、「いつでもできる」という気楽さが、継続のハードルを大きく下げてくれたのです。

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みなさまへの呼びかけ:今日から “あなたの階段” を始めてみませんか?

健康を改善する

ここまで読んでくださったあなたは、きっと「自分に合った運動を見つけたい」と思っているはずです。ウォーキングもランニングも素晴らしい運動ですが、忙しい日々の中で、続けることの難しさを感じている方も多いのではないでしょうか。

だからこそ、私は声を大にして伝えたいのです。

階段の登り降りには、あなたの毎日に “自然に溶け込む” 力があります。

特別な準備もいりません。天候にも左右されません。3分でも、5分でもOK。今日から、自宅や職場の階段を1階分だけ登り降りしてみてください。それだけで、あなたの体は確かに変わり始めます。

無理なく、でも確実に健康を育てていく。その最初の一歩として、「階段」という選択肢をぜひ取り入れてみてください。

だからこそ、今日から一段ずつ、始めてみませんか?

おことわり

本記事は筆者個人の健康診断結果と経験に基づくものです。記載内容は一般的な医療アドバイスではなく、読者の皆様の健康状態については必ず医療専門家にご相談ください。また、本記事の情報は執筆時点のものであり、最新の医学的知見とは異なる可能性があります。

本記事で使用した画像はNapkin AIを利用しています。

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この記事を書いた人

“じみ” に “もくもく” と “すきなこと” を “継続する” ことが最近の楽しみです。

『人生を自由に楽しく』が目標です。

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