階段の登り降りとウォーキング、どっちが痩せる?:科学+実体験で徹底比較!

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“痩せる効率” は時間か、強度か:同じ20分で何が違う?

「階段を使えばすぐに汗をかく」「ウォーキングのほうが脂肪が燃える」 ─
ダイエットを始めようとすると、どちらが本当に痩せるのか迷う人は多いでしょう。

実はこの2つ、同じ「有酸素運動」でも身体にかかる負荷も、燃焼の仕方もまったく違うのです。
階段の登り降りは心拍数が一気に上がる “短時間高強度型”、
ウォーキングは長く続けて脂肪をじっくり燃やす “持続型”。

そこで今回は、私がスマートウォッチで階段の登り降りとウォーキングをそれぞれ20分ずつ実測
消費カロリー、心拍ゾーン、疲労感を比較し、さらに科学的な運動強度(METs値)も参照して、どちらが効率的に痩せるのかを明らかにします。

「時短で結果を出したい人」「無理なく続けたい人」―
あなたのタイプに合った “痩せ方” がきっと見つかるはずです。

階段とウォーキング、運動効果の違い

どの運動があなたのフィットネス目標に最適ですか?

階段運動は “筋トレ+有酸素” のハイブリッド運動

階段を登る動作は、太もも(大腿四頭筋)・お尻(大臀筋)・ふくらはぎ(下腿三頭筋)といった下半身の大筋群を総動員します。
これらの筋肉は身体全体の約60〜70%を占めるため、使用するだけで基礎代謝の向上につながります。

さらに階段の登り降りは「垂直方向への重力負荷」が加わるため、平地歩行よりも約1.5〜2倍のエネルギーを消費します。
米国運動生理学会(ACSM)の運動強度分類によると、

平地ウォーキング(中速 4km/h)=約3.3 METs
階段の登り降り(中程度)=約8.8 METs

とされています。

つまり階段の登り降りは、短時間で心拍数を上げて脂肪燃焼ゾーン(最大心拍数の60〜70%)に入りやすい、高効率な有酸素+筋トレ運動といえます。

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出典:Compendium of Physical Activities

ウォーキングは “脂肪をじっくり燃やす” 持続型運動

一方のウォーキングは、関節への負担が少なく、初心者でも継続しやすい低強度運動です。
脂肪燃焼効果は “長く続けるほど大きくなる” のが特徴で、20〜30分程度歩き続けることで体内の脂質代謝が活性化します。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013」でも、ウォーキングのような中強度(3METs以上)の運動を1日60分、週合計23METs・時以上行うことが推奨されています。

また、ウォーキングは心肺持久力の向上やストレス軽減にも効果があり、体脂肪率の緩やかな低下を促す長期型ダイエットに向いています。

出典:健康づくりのための身体活動基準2013

「強度」と「持続性」、どちらを選ぶかがポイント

階段の登り降りは「短時間で高燃焼」、ウォーキングは「長時間で安定燃焼」。
どちらが優れているというよりも、目的と生活スタイルに合わせて選ぶことが重要です。

時間がない → 階段の登り降り(1日10分でもOK)
継続したい → ウォーキング(1回30分を週5回)

次のセクションでは、実際に私が計測した「消費カロリーと心拍数の実測比較データ」を紹介し、どちらが “同じ時間でより痩せやすい” のかを具体的に見ていきます。

科学的に見る運動強度とカロリー比較

METs(運動強度)から見る “燃焼効率” の違い

運動によるカロリー消費量は、「運動強度(METs)」×「体重」×「時間」でおおよそ求められます。
このMETs(Metabolic Equivalent of Task)は、安静時を1としたときの代謝量の倍率を示す指標です。

米国運動生理学会(ACSM)のデータによると、一般的な運動強度は次のとおりです。

運動内容METs(運動強度)特徴
平地ウォーキング(中速 4km/h)約3.3 METs呼吸が軽く上がる程度
速歩(6km/h)約5.0 METs少し息が弾む強度
階段の登り降り(中程度)約8.8 METs呼吸・心拍数が急上昇
階段の登り降り(速め)約9.0〜10.0 METs息が上がり汗が出る強度

この数値だけでも、階段の登り降りはウォーキングの約2倍の強度があることが分かります。

体重別・時間別のカロリー消費比較(科学的算出)

カロリー消費量の目安は、以下の式で求められます:

消費カロリー(kcal)= 1.05 × METs × 体重(kg) × 時間(h)

この式を用いて、体重別・運動時間別の消費量を算出します。

運動内容METs体重50kg/10分体重60kg/10分体重70kg/10分
ウォーキング(中速)3.3約29 kcal約35 kcal約41 kcal
ウォーキング(速歩)5.0約44 kcal約53 kcal約62 kcal
階段の登り降り
(中程度)
8.8約78 kcal約93 kcal約109 kcal
階段の登り降り
(速め)
9.5約85 kcal約101 kcal約118 kcal

同じ10分でも、階段の登り降りはウォーキングの約2倍のカロリーを消費
たとえば体重60kgの人なら、

平地ウォーキング 10分:35 kcal前後
階段の登り降り 10分:約100 kcal前後

となります。

階段運動の強み:脂肪燃焼ゾーンへの “早さ”

心拍数の上昇スピードにも差があります。
脂肪燃焼が最も活発になるのは「最大心拍数の60〜70%」とされますが、階段の登り降りは数分で到達しやすく、短時間で代謝を高めやすいのが特徴です。

ウォーキングの場合は、10分以上続けてようやく脂肪代謝が優位になるため、忙しい日常では “即効性” の面で階段が有利です。

出典:身体活動とエネルギー代謝

階段運動とウォーキングの消費カロリー比較まとめ(科学的視点で解説)

  • 総合的に痩せやすい方法=「階段で代謝を上げ、ウォーキングで燃焼を続ける」組み合わせ
  • 時間効率:階段運動 > ウォーキング
  • 持続性・関節への負担:ウォーキング > 階段運動

階段昇降/ウォーキングは何分で効果が出る?:筆者の実測データで心拍・カロリーを比較

実測条件と測定方法

私(40代男性・身長172 cm・体重70 kg)は、いわゆる “アラフィフ世代”。
基礎代謝が20代と比べて約10〜15%低下しやすく、効率的に脂肪を燃やすには「短時間でも代謝を上げる運動」が鍵になります。

同日の同時間帯(午前8時台)に、スマートウォッチで次の条件で測定を行いました。

  • 測定時間:各20分
  • 階段の登り降り:とある階段(1階〜3階を往復)
  • ウォーキング:平地を一定テンポ(時速 5.5 km)で歩行
  • 環境:気温21℃前後
  • 測定項目:消費カロリー、平均心拍数、最大心拍数、自覚的運動強度(Borgスケール)

実測データ比較表(20分間・身長172cm/体重70kg)

項目階段運動ウォーキング
消費カロリー(総計)206 kcal122 kcal
平均心拍数142 bpm115 bpm
最大心拍数158 bpm127 bpm
自覚的運動強度(Borgスケール)14(ややきつい)11(やや楽)
発汗量の目安額・背中にしっかり汗額に軽く汗ばむ程度
息切れ・呼吸の深さ深く呼吸・息弾む会話可能なレベル

※Borgスケール:6(非常に楽)〜20(限界に近い)で表す主観的強度

出典:Psychophysical bases of perceived exertion

結果から見えた3つの違い

カロリー効率

体重70 kg・身長172 cmという標準体格では、同じ20分でも階段の登り降りがウォーキングの約1.7倍のエネルギー消費
METs値(階段 8.8 vs ウォーキング 5.0)から計算した理論値ともほぼ一致。
つまり、代謝が落ち始める40代でも短時間で十分な燃焼が得られることを実測で確認できました。

心拍反応と脂肪燃焼ゾーン

階段の登り降りでは開始3分で心拍数が140 bpm台に上昇し、脂肪燃焼ゾーン(最大心拍数の60〜70%)をキープ
ウォーキングでは約10分後にようやく到達するペースでした。

アラフィフ世代では最大心拍数が175 bpm前後(220−年齢)となるため、階段の登り降りは早期に脂肪燃焼域へ導く運動といえます。

疲労感と筋肉刺激

階段の登り降りでは太もも・お尻を中心に筋肉負荷を強く感じ、翌日は軽い筋肉痛
一方ウォーキングでは心地よい疲労感止まりで、長時間の継続に向いています。

筋肉量の減少が気になる40代以降にとって、階段の登り降りは「燃やしながら維持する」最適解です。

実測から得られた結論(アラフィフ男性の場合)

休日はウォーキングで「持続燃焼
→ 両方を組み合わせることで、脂肪燃焼+筋力維持+ストレス軽減が同時に得られる

階段の登り降り:20分で約200 kcal、短時間で代謝アップ
ウォーキング:20分で約120 kcal、無理なく継続できる

最適解:時間がない平日は階段の登り降りで「瞬間燃焼
    休日はウォーキングで「持続燃焼
→ 両方を組み合わせることで、脂肪燃焼+筋力維持+ストレス軽減が同時に得られる

階段運動とウォーキング、目的別おすすめメニュー:痩せたい人・続けたい人向け

目的別に運動を選ぶのが最短ルート

階段の登り降りもウォーキングも、それぞれ長所と弱点があります。
40代以降は代謝が落ち、筋肉量が減りやすくなるため、目的に合わせて “強度と時間” を調整することが重要です。

ここでは「しっかり痩せたい人」と「無理なく続けたい人」に分けて、具体的な運動メニューを紹介します。

【しっかり痩せたい人向け】10分階段メニュー(週3〜4回)

狙い:短時間で代謝を上げ、脂肪を燃やす

内容時間解説
ウォームアップ(軽い昇降)2分ゆっくり登り降りして呼吸を整える
メイン(階段昇降)6分30秒速く登る+30秒ゆっくり下るを繰り返す
クールダウン2分深呼吸しながらゆっくり下る

スマートウォッチで心拍数130〜150bpmを目安に
息が弾むが会話はギリギリできる強度(Borgスケール13〜15)
複数の短期間トレーニング研究(4〜6週間)で体脂肪率の −1〜2%低下が報告されている

階段の登り降り後に5分の平地ウォークを入れると乳酸が減少し、疲労が残りにくい
エレベーターを使う習慣を “階段ルール” に変えるだけでも積み上がる

出典:Stair-climbing interventions on cardio-metabolic outcomes in adults: A scoping review
Effects of high-intensity interval training on physical fitness and body composition in recreationally active females: a systematic review and meta- analysis

【無理なく続けたい人向け】30分ウォーキング(週5回)

狙い:脂肪をじっくり燃やし、生活習慣を整える

区間時間解説
ウォームアップ5分通常歩行で徐々に心拍を上げる
メイン20分速歩(6km/h)+普通歩行を2分ごとに交互に行う
クールダウン5分呼吸を整えながら軽く歩く

平均心拍数110〜125 bpmを維持
通勤・昼休み・帰宅前の20〜30分で実行可能
脂肪酸利用率が最も高い強度帯を維持でき、体脂肪の減少と血糖値安定化に効果的

スマホの歩数計を活用し、1日7,000〜8,000歩を目標に設定
「通勤+買い物+昼休み」で自然に達成できる歩数を意識

ハイブリッド法:平日×階段、休日×ウォーク

アラフィフ世代に最適なのは、平日短時間+休日長時間の組み合わせ。

曜日運動内容時間強度
月・水・金階段の登り降り各10分高強度(Borg14〜15)
火・木軽いストレッチまたは休息
土・日ウォーキング各30分中強度(Borg11〜12)

階段で代謝スイッチを入れ、ウォーキングで脂肪燃焼を持続
関節の休息日を挟むことで、膝・腰への負担を最小限に
筋肉量と心肺機能の両立が可能

階段運動とウォーキングの選び方まとめ:目的別に最適な痩せ方を解説

  • 両方を組み合わせてこそ、脂肪燃焼×筋力維持×継続が実現
  • 短時間・効率重視なら階段運動(10分でも高燃焼)
  • 継続・ストレスケア重視ならウォーキング(30分で心身リセット)

効果を最大化するコツと注意点

階段運動の効果を最大化する

正しいフォームで “膝と腰” を守る

階段の登り降りではフォームを誤ると膝関節や腰に負担がかかります。特に40代以降は軟骨や腱の回復力が低下するため、姿勢を整えて衝撃を分散させることが大切です。

正しい階段の登り方

  • 背筋を伸ばし、軽く前傾(10度以内)
  • 膝をつま先より前に出しすぎない
  • 1段ずつ確実に足裏全体で着地
  • 手すりは “支え” 程度に使用

降りるときの注意

  • かかとから下ろさず、足全体で受け止める
  • 膝を軽く曲げて衝撃を吸収

膝に痛みがある場合は「登りのみ」でOK、下りはエレベーターを使うだけでも負担を減らせます。

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水分・呼吸・ストレッチで回復力アップ

階段の登り降りやウォーキングは思った以上に汗をかきやすいため、脱水による疲労・頭痛・だるさに注意が必要です。

効果を高める基本ルール

運動前にコップ1杯(200ml)の水分補給
運動中は10分に1回少量ずつ(口を潤す程度)
終了後はふくらはぎ・太もも・お尻のストレッチを20〜30秒ずつ

呼吸は「2段登る間に吸い、2段で吐く」リズムを意識すると、酸素取り込み効率が上がり、心拍の安定につながります。

出典:American Heart Association Recommendations for Physical Activity in Adults and Kids

頻度と休息のバランス

「階段の登り降り運動は毎日してもいい?」という質問をよく受けます。
答えは “YES、ただし強度に注意”

高強度(心拍140bpm以上)なら週3〜4回が理想
軽めの階段・ウォーキング併用なら毎日でもOK
疲労や筋肉痛を感じた日は、ストレッチや軽歩行で回復に充てる

筋肉は48時間で回復するため、休む=次の燃焼準備時間
「やらなきゃ」ではなく「リズムを整える」意識が、長期的な成果につながります。

続けられる人の共通点

スマートウォッチでカロリーや歩数を“見える化”
SNSやアプリで成果を共有してモチベーション維持
目標を「1回でなく1週間単位」に設定

アラフィフ世代の成功ポイントは、“完璧より継続”。
1日10分の階段運動を続けるだけでも、1か月で約2,000 kcal(脂肪約300 g)を自然に燃焼できます。

まとめ:今日の一段/一歩が未来の健康をつくる

階段の登り降りとウォーキング ─
どちらも身近で効果的な有酸素運動ですが、目的に応じた使い分けがダイエット成功の鍵です。

アラフィフ世代では基礎代謝の低下や筋肉量の減少が進みやすく、単に「カロリーを消費する運動」ではなく、「筋肉を維持しながら代謝を高める運動」が必要になります。

その点で、階段の登り降り短時間でも心拍数を上げやすく、脂肪燃焼と筋力維持を同時に叶える “時短運動
ウォーキングは関節への負担が少なく、ストレス軽減・生活リズムの安定に優れています。

両方を組み合わせれば、時間がなくても、無理なく続けられる “現実的な運動習慣” が作れます。

明日からできる3つの行動ステップ

  • 1日合計10分の階段を習慣にする:
    • 通勤・買い物・オフィスの移動など、“自然に階段を選ぶ” だけでOK
      1日10分で約100kcal、1か月で約3,000kcal(脂肪約400g)を消費できます
  • 心拍ゾーンを意識する:
    • スマートウォッチで、心拍120〜140 bpmを目標に
      このゾーンを維持することで脂肪燃焼が最大化します
  • 1週間単位で記録をつける:
    • 日々の結果よりも、週合計でどれだけ動いたかを見える化
      達成感” が続くことでモチベーションが落ちにくくなります

「階段の登り降りか、ウォーキングか?」 ─ その答えは、“どちらもあなたの味方” です。

短時間で代謝を上げたい日には階段の登り降りを、
リラックスしたい日にはウォーキングを。

目的と気分に合わせて選ぶことが、最も長く続けられる健康習慣です

おことわり

本記事は筆者の実測データおよび信頼できる文献・公的機関の情報をもとに作成していますが、運動効果や消費カロリーには個人差があります。

特に膝・腰・心肺機能などに不安がある方、既往症や治療中の方は、運動を始める前に医師または専門家にご相談ください。

階段運動・ウォーキングはいずれも安全性の高い運動ですが、体調不良時や極端な高温・低温環境での実施は避け、無理のない範囲で継続することをおすすめします。

本記事で使用した画像はNapkin AIを利用しています。

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この記事を書いた人

“じみ” に “もくもく” と “すきなこと” を “継続する” ことが最近の楽しみです。

『人生を自由に楽しく』が目標です。

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