心拍数を測り運動強度を見える化する意義
階段の登り降りはシンプルながらも非常に効果的・効率的な有酸素運動です.
階段の登り降りに限らず、運動強度を正しく理解することは効果的なダイエットや健康維持において重要です.心拍数は運動強度を測るための信頼できる指標の一つです.
本記事では、階段の登り降り運動中の心拍数チェックの重要性と、それを活用して健康効果を最大化する方法をご紹介します.年齢や体力に応じた適正な運動強度の設定方法、心拍数の測り方、そして心拍数に基づいた運動強度の調整テクニックなど、実践的なアドバイスをお届けします.
階段の登り降りを通じて、心身ともにバランスの取れた健康づくりを目指す方法を一緒に探っていきます.自分の体力・その日の体調に合った運動強度を見極めることで、より効果的に健康を手に入れましょう!
運動強度と心拍数との関係
運動強度とは? その測り方は?
運動強度とは、運動中の身体にかかる負荷の度合いを表します.運動強度を測る方法には次の方法があります.今回は運動中の心拍数を用いる方法について記します.
- 運動中の心拍数を測る
→ 簡易的 - 自覚的運動強度(ボルグスケール)を用いる
→ 6から20までの数値で運動のきつさを主観的に評価する - 運動中の酸素消費量を最大酸素摂取量と比較する
→ 専用の機器が必要
心拍数を用いた適正な運動強度の考え方
運動強度が上がるほど心拍数も上昇します.これは体が必要とする酸素量が増えるため、心臓がより多くの血液を送り出す必要があるからです.
心拍数は運動強度を測る指標として使われます.最大心拍数に対する割合で運動強度を表すことができます.最大心拍数は以下の方法で求められます.
- 最大心拍数の推定式:
最大心拍数 = 220 ー 年齢 - 他にカルボーネンの式を用いる方法もあります(本記事では省略)
- 私の場合は、220 ー 47 = 173 (回/分)が目安となります.
運動の目的によって適切な心拍数(運動強度)が異なります.例えば、
- 脂肪燃焼
→ 最大心拍数の 60 〜 70%- 私の場合は、104 〜 121(回/分)
- 有酸素運動
→ 最大心拍数の 70 〜 80%- 私の場合は、121 〜 138(回/分)
- 無酸素運動
→ 最大心拍数の 80 〜 90%- 私の場合は、138 〜 156(回/分)
私の場合(60、70、80、90%)はそれぞれ、104、121、138、156(回/分)が目安となります.私の目的は有酸素運動なので、普段行う階段の登り降りの際は 140(回/分)を超えないように負荷を調整しながら行っています.(当サイトの “Record” カテゴリに階段登り降りの記録を載せております)
心拍数を測ることで、自分の体調や運動の強度を適切に管理できます.過度な負荷を伴う運動は危険なので、心拍数をモニタリングすることで安全に運動できます.みなさまの中にはスマートウォッチを使われている方も多いと思います.まだの方は、心拍数を確認しながら運動してみてはいかがでしょうか?
出典:心拍数と運動強度
運動時に心拍数を測ったほうがいい?運動強度と心拍数の関係
心拍数と健康の関係
適正な心拍数を維持した運動がもたらす健康効果
- 心肺機能の向上
- 心臓の筋力が強化され、1回の拍動で送り出せる血液量が増加します.
- 肺活量が増加し、より効率的に酸素を取り込めるようになります.
- 代謝の促進
- 基礎代謝が上がり、カロリー消費が増加します.
- 脂肪燃焼が促進され、体重管理に役立ちます.
- 血液循環の改善
- 血管の弾力性が高まり、血流が改善されます.
- 高血圧のリスクが低下します.
- 持久力の向上
- 同じ運動強度でも長時間継続できるようになります.
- 日常生活での疲労感が軽減されます.
- ストレス耐性の向上
- 自律神経のバランスが整い、ストレスへの対応力が高まります.
- 生活習慣病予防
- 糖尿病や心臓病などのリスクが低下します.
- 免疫機能の向上
- 適度な運動により免疫力が高まり、病気への抵抗力が向上します.
適正な心拍数を意識した運動がもたらす精神的メリット
心拍数を意識した運動には精神面でも良さがあります.よろしければご参照下さい.
階段の登り降りが持つ強み:それぞれに合う運動強度を実現する
本記事ではこれまで、年齢と運動の目的から適正な心拍数を定め、心拍数を測りながら階段の登り降りをすることで、運動効果の最大化を目指すことについて述べてきました.
もちろん運動の方法は階段の登り降りだけではありませんが、階段の登り降りの強みは運動の量・負荷を調整しやすいことです.みなさまそれぞれの体力に応じて登り降りをする高さ・速さ・運動の時間を調整できます.場合によっては1段の踏み台昇降運動も良い運動です.同じ人の運動にしても、その日の体調・気候で心拍数の上がり方は変わります.リアルタイムで心拍数を監視することで、その時々で適正な強度に調整しながらの運動ができます.
階段の登り降りは、40代からのダイエットや健康づくりに最適な運動方法の一つと言えます.その最大の強みは、個人の体力や目的に合わせて運動強度を簡単に調整できる点にあります。
ゆっくりとしたペースで行えば低強度の有酸素運動となり、速度を上げれば中〜高強度の運動に変化します.また、階段の昇降回数や時間を調整することで、運動量も自在にコントロールできます.
さらに、年齢や体力レベルに関係なく、誰でも無理なく始めやすいのも大きな利点です.初心者は少ない階数から始め、徐々に増やしていくことで安全に運動強度を高められます.一方、体力のある人は、速度を上げたり、階段を何段か飛ばしで登ることで、より高い運動効果を得ることができます.
このように、階段の登り降りは、それぞれの体力や目標に合わせて最適な運動強度を実現できる、柔軟性の高い運動方法なのです.心拍数をチェックしながら適切な強度で継続することで、効果的な減量や健康増進を図ることができるでしょう.
おことわり
本記事は筆者個人の健康診断結果と経験に基づくものです.記載内容は一般的な医療アドバイスではなく、読者の皆様の健康状態については必ず医療専門家にご相談ください.また、本記事の情報は執筆時点のものであり、最新の医学的知見とは異なる可能性があります.