私が13 kg減を達成できたのは、階段を登り降りしたからでした
健康のために何か始めたい。でも、ジムに通うのは続かないし、ランニングはハードルが高い。
そんなふうに感じていた私が選んだのが「階段の登り降り」でした。特別な器具も場所も必要なく、身近な階段を活用するだけ。
これを10年近く続けた結果、なんと13 kgの減量に成功し、健康診断の数値にもうれしい変化が表れました。
- 「本当に階段昇降だけでそんなに変わるの?」
- 「どんな効果があるの?」
- 「自分にもできるかな?」
この記事では、そんな疑問にお応えする形で、階段の登り降りによるカロリー消費・筋肉への効果・血圧改善までを、科学的な視点と実体験の両面からわかりやすく解説していきます。
無理なく続けられるからこそ、効果が積み重なる。
あなたの健康習慣にも、きっと階段の登り降りが役立ちます。
階段昇降に本当に効果はあるのか?

「階段の登り降りって、ただの移動手段じゃないの?」
そう思っていた頃の私には、まさかこの運動がここまで効果的だとは想像もしていませんでした。
まず、階段昇降はウォーキングより高い強度の有酸素運動に分類されます。METs(代謝当量)で比較すると、
つまり、消費カロリーが約2倍以上にもなるのです。
さらに特徴的なのが、上半身の動きを伴わない「下半身特化型」の全身運動であること。
日常生活に取り入れやすいだけでなく、筋力アップや血流改善など、体全体に好影響を与えてくれます。
実際に私自身、この運動を習慣化することで、以下のような変化を実感しました:
- 体脂肪の減少(特にお腹まわり)
- 階段の登りが軽くなった(脚力の向上)
- 日中の疲労感の軽減(持久力アップ)
- 血圧の安定(下が120台→110台に)
このように、体感できる成果があるからこそ続けられるのも、階段の登り降りの魅力です。


階段の登り降りで消費できるカロリーはどれくらい?

「少しでも脂肪を燃やしたい」「日常の中で効率よく運動したい」――
そう考えている方にとって、階段の登り降りがどれほどのカロリーを消費できるのかは気になるポイントです。
具体的なカロリー計算の目安
運動によるカロリー消費は以下の式で大まかに求められます:
たとえば、体重65 kgの人が階段を10分間登り降り(登り5分・降り5分)した場合:
- 登り:9.0 METs × 65kg × (5÷60)h × 1.05 ≒ 約51 kcal
- 降り:4.0 METs × 65kg × (5÷60)h × 1.05 ≒ 約23 kcal
- 合計:約74 kcal
これはコーヒー1杯分の砂糖+ミルクを帳消しにできるレベルです。さらに階段の段数や速さを上げれば、より高強度な運動にもなります。
小さな積み重ねが、大きな差に
1回あたりの消費は決して大きくありませんが、毎日継続すれば1週間で500 kcal、1ヶ月で2,000 kcal以上。
これは体脂肪に換算すると約300 gの減少に相当します。
運動が苦手でも、仕事や買い物のついでに取り入れられるのが階段の登り降りの最大の強みです。

下半身の筋肉を鍛えて代謝アップ!

階段の登り降りが優れているのは、単なる有酸素運動にとどまらず、筋肉への刺激もしっかり得られることです。特に「登る」動作では、自重を使って太もも・ふくらはぎ・お尻といった大きな筋群がフル稼働します。
鍛えられる主な筋肉
筋肉 | 主な働き |
---|---|
大腿四頭筋(前もも) | 階段を一段ずつ踏み上がる際のメイン動力源 |
ハムストリングス | 太もも裏の筋肉。登るときに膝を引き上げる |
大臀筋 | お尻の筋肉。体を安定させ、姿勢保持に重要 |
下腿三頭筋(ふくらはぎ) | つま先で押し出す動作に貢献し、血流ポンプ作用もある |
これらはすべて基礎代謝に深く関わる筋肉であり、衰えると冷えや疲れやすさ、転倒リスクの増加にも直結します。
筋肉が増えれば「やせやすい体」に変わる
筋肉量が増えると基礎代謝も上がり、運動していないときでも脂肪が燃えやすい体質になっていきます。
また、筋肉の質(筋密度)が高まることで、「見た目が引き締まる」「むくみにくくなる」といった美容的メリットも期待できます。
特に40代以降は「サルコペニア(加齢による筋肉減少)」が始まる時期。
このタイミングで階段の登り降りを習慣化することは、老化予防や自立歩行の維持という観点からも非常に効果的です。

姿勢改善や腰痛予防にもつながる
階段を丁寧に登ることで、自然と姿勢が整い、体幹や骨盤まわりの筋肉も使われるようになります。これが腰痛や猫背の予防・改善にもつながっていくのです。

階段の登り降りは血圧改善にも効果あり

高血圧や血流不良は、40代以降の多くの方にとって気になる健康課題です。
階段の登り降りは、そんな悩みにも有効な「血管にやさしい運動」として注目されています。
血流が促進される理由
階段を登ると、下半身の筋肉が繰り返し収縮し、「筋ポンプ作用」によって血液が心臓に戻りやすくなります。
この流れが滞ると、冷えやむくみ、血圧の上昇にもつながります。
階段登り降り運動によって全身の血流が改善されると:
- 心臓への負担が軽くなる
- 血圧が安定する
- 血管が柔らかく保たれる
というメリットが得られます。
また、私自身も「以前は上が130〜140台だったのが、今では120台前半に安定している」と実感しています。
なぜ階段の登り降りが血圧に効くのか?
ポイントは以下の3つです:
- 有酸素運動で血管拡張物質(NO:一酸化窒素)が分泌される:
- 血管がしなやかに保たれる
- 下半身の大筋群が動くことで心拍出量が安定する:
- 血流が安定し、血圧の急変動が起こりにくくなる
- ストレス軽減効果:
- 運動によるエンドルフィン分泌で交感神経の興奮が抑えられ、血圧も整いやすい
これらの仕組みは、「階段を登るだけなのに、なぜかスッキリした」「気持ちが落ち着く」という体感にもつながっています。

医療職としても感じるメリット
私が診療放射線技師として関わる健康診断の現場でも、「日常に少しだけ運動を取り入れた人」の数値改善例は多く見てきました。
特に階段の登り降りのようなシンプルかつ継続しやすい習慣は、降圧薬に頼りすぎない対策としても非常に優れています。

出典:高血圧改善!毎日5分の運動で健康に
Stair climbing activity and vascular function in patients with hypertension
Climbing Just 50 Stairs a Day Can Help Reduce Heart Disease Risk
1日わずか5分の身体活動の追加が血圧低下に効果的
Stair climbing offers significant cardiovascular and muscular benefits for heart patients
科学的に見た階段の登り降りのメリットまとめ

ここまで、階段の登り降りがもたらす「カロリー消費」「筋肉強化」「血圧安定」といった具体的な効果について解説してきました。
最後に、それらを支える科学的な根拠と、続けるためのヒントをまとめておきましょう。
HIIT や EPOC の効果も得られる
階段の登り降りは、有酸素運動でありながら、高強度インターバルトレーニング(HIIT)的な要素も持っています。
たとえば「登り=高強度」「降り=回復」のリズムを繰り返すことで、**運動後もエネルギー消費が持続するEPOC効果(アフターバーン)**が期待できるのです。
これにより、短時間でも脂肪燃焼効果が長く続くのが特徴です。


脳と習慣化の関係も見逃せない
「運動を続けるのが苦手だった」
そんな人にも階段の登り降りが合っているのは、「生活動線の中で無意識に取り入れやすい」=脳の抵抗が少ない運動だからです。
脳は変化を嫌いますが、“いつもの道を階段にするだけ” という小さな選択なら受け入れやすく、継続しやすい。
これが、私が13kg 減を達成できた最も大きな理由かもしれません。

階段の登り降りに関するよくある質問
読者の方からいただくことの多い質問について、実体験と専門的な視点からお答えします。
- Q:膝や腰が悪くても階段の登り降りは大丈夫ですか?
- A:基本的には、無理のない範囲でゆっくり行うことで、安全に取り組めます。ただし、膝や股関節に炎症がある場合は避けた方がよいです。段差の低い階段や、手すりを使った昇降、下りを控えて “登りだけ” にする方法も有効です。
- Q:毎日やらないと効果がありませんか?
- A:いいえ。週3〜4日でも十分に効果があります。むしろ “毎日やらねば” と感じてしまうと、ストレスになり逆効果です。1日おきでも、長く続けられるリズムを見つけることが大切です。
- Q:そもそも階段がない生活なんですが?
- A:職場や駅、買い物先などで「1階分だけ階段を使う」など、日常の中に探せば意外と階段はあります。また、マンションやアパートに住んでいる方は、室内で “段差を使った昇降運動” を代用する方法もあります。
階段の登り降りを続けるための5つのコツ

せっかく健康に良いとわかっていても、三日坊主で終わってしまったら意味がありません。ここでは、私自身が13 kg減を達成するまでに実践していた「続けるコツ」をご紹介します。
- スマホで記録をつける:
- 歩数計アプリやメモ帳に「登った階数」を記録するだけでも、モチベーションが続きやすくなります。
- エレベーターの代わりに1階分だけ:
- すべて階段にしなくてもOK。「1階分だけ階段にする」だけでも効果は積み重なります。
- 景色や季節を楽しむ:
- 外階段や公園の階段を使えば、花や風を感じる気分転換にもなります。
- ご褒美ルールを設定する:
- 「週に4回できたら好きなスイーツ」など、小さな楽しみを用意すると継続につながります。
- 同じ時間帯にルーチン化する:
- 朝食前、通勤前、夕食後など、生活の一部に組み込むことで習慣化が加速します。
まとめ:一段ずつ、未来を変える力に

健康に「遅すぎるスタート」はありません。
階段の登り降りは、自分のペースで負荷を調整でき、年齢や体力に関係なく取り組める運動です。
あなたの健康習慣づくりにも、きっと階段の登り降りが役立ちます。
大切なのは、特別なことをするのではなく、「今できる小さなこと」を積み重ねること。
階段の登り降りは、その象徴のような運動です。
できる日だけ、1階分だけ、10段だけ――
それでも構いません。続けることで体も心も少しずつ変わっていきます。
だからこそ、今日から一段ずつ、始めてみませんか?
あなたの健康を支える習慣として、階段の登り降りがきっと力になってくれます。
おことわり
この記事は私自身の体験と、科学的な情報をもとに構成していますが、すべての方に同じ効果を保証するものではありません。
ご自身の体調にあわせて、無理のない範囲で実践してみてください。
本記事で使用した画像はNapkin AIを利用しています。
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