ある朝、健康系の記事で
こんな見出しを目にしました。
読んだ瞬間、少しひやっとしました。
階段の登り降りを11年続けて、
私は体重を約13 kg落としています。
良いことをしてきたつもりでしたが、
もしかすると私は、
長生きする側の体形から、
自分で離れてしまったのではないか。
そう思って、健診の記録を
もう一度並べ直してみました。
- 私のBMIは 27.4 から 23.7 へ。
日本人の研究では、死亡リスクが低い帯(21〜27)の中にいました - 落ちた約12 kgのうち、およそ8割は脂肪でした。
ただし筋肉の側も、少し減っています - これからの仕事は「減らす」ではなく「落とさない」。
物差しを体重から中身へ移します
「やや太めが長生き」は、本当に言われている

まず、この話に根拠はあるのか。
一次情報をたどってみました。
よく引かれるのは、
国立がん研究センターなどの研究班が2011年に発表した解析です。
- 対象:日本の7つの追跡研究、35万人以上
- 結果:死亡リスクが最も低いBMIは 21〜27
- 男性:25〜27 の帯が最も低く、23未満ではリスクが上がっていた
グラフは、痩せている側で
よりはっきりリスクが上がる
「逆J型」を描いています。
日本肥満学会の基準では、
BMI 25以上は「肥満(1度)」です。
その少し上の帯が、
統計の上ではいちばん低い。
「やや太めが長生き」は、
ここから来ている言葉でした。
出典:肥満指数(BMI)と死亡リスク
Body Mass Index and Mortality From All Causes and Major Causes in Japanese
私のBMIは 27.4 から 23.7 へ動いた

では、私はどこにいるのか。
20年分の健診記録から、
節目の数字を抜き出しました。
| 健診 | 体重 | BMI | 体脂肪率 |
|---|---|---|---|
| 2015年2月 | 81.3 kg | 27.4 | 29.2 % |
| 2018年2月 | 78.4 kg | 26.4 | 27.6 % |
| 2024年2月 | 78.0 kg | 26.4 | (記録なし) |
| 2024年8月 | 69.2 kg | 23.5 | 18.3 % |
| 2026年2月 | 69.7 kg | 23.6 | 21.2 % |
| 2026年8月 | 69.5 kg | 23.7 | 20.7 % |
階段を始めた2015年から9年ほど、
体重は 76〜81 kg の間を
ゆっくり行き来していました。
ただ、止まっていたのは
体重計の数字だけでした。
同じ9年のあいだに、
腹囲は 89.8 cm から
84 cm 前後(2019〜2023年)へ。
体脂肪率も 29.2 % から
24.4 %(2022年2月)まで
下がっています。
この記事の主題は、
すでにここに顔を出していました。
大きく動いたのは、
2024年2月から8月の半年です。
朝と晩の2食にした時期と重なります。
私はそう受け止めています。
始めたころの変化は、
効果が見えるまでの1週間〜3か月の記録に
書いています。

長生き帯の「真ん中」から「手前」へ
先ほどの研究に重ねてみます。
2015年の 27.4 は、
男性でいちばんリスクが低い帯
(25〜27)のすぐ上でした。
いまの 23.7 は、
研究が比較の基準に置いた帯
(23〜25)の中です。
リスクが上がっていたのは、23未満。
私はその線の、少し上にいます。
離れたわけではありませんでした。
ただ、余裕がたっぷりあるとも
言えない位置です。
統計の読み方:痩せている群には、何が混ざるのか

ここで、もう一歩だけ
統計の中身を見ておきます。
痩せている人の集まりには、
病気で痩せた人や
喫煙で痩せている人も含まれます。
痩せているから亡くなりやすいのか。
亡くなりやすい事情があって
痩せていたのか。
ここは、見分けるのが難しいところです。
2016年に医学誌 Lancet に載った
世界239研究・1,000万人規模の解析は、
この点を絞り込んでいます。
- 対象を、たばこを吸ったことがなく、持病のない人に限定
- 追跡のはじめの5年間の死亡を除外
- その結果、死亡リスクが最も低かったのは BMI 20〜25
一方で、日本の研究班も、
早い時期の死亡を除いたり、
男性を非喫煙者に限ったりして、
解析し直しています。
それでも結果は同様だった、
と報告されています。
なぜ違いが出るのかは、
今後さらに研究が必要とされています。
もうひとつ、
日本の研究班自身が挙げている限界があります。
- BMIをある一時点だけで見ていて、その後の体重の変化は追っていない
- 腹囲など、お腹まわりの脂肪を表すデータがない
途中で体重を落とした人がその後どうなるのか。
同じBMIでも、
お腹に脂肪が多い人と少ない人で違いはあるのか。
私がいちばん知りたいところは、
この統計の外側にありました。
つまり、科学はまだ
ここで揺れています。
「太めがいい」とも
「痩せているほどいい」とも、
私には言い切れません。
言えるのは、23.7 という数字が、
どちらの研究でもリスクの低い帯の中にある、
ということだけです。
体重ではなく、何を落として何を残したか

もうひとつ、
BMIには弱点があります。
体重と身長だけで計算するので、
筋肉と脂肪を区別しません。
同じ 23.7 でも、
中身はまったく違うことがあります。
そこで、体重に体脂肪率を掛けて、
中身を2つに分けてみました。
ひとつ、気をつけた点があります。
私の体脂肪率は、
冬の健診で高く、
夏の健診で低く出る傾向があります。
そのため、変化を見るときは
同じ季節どうしで比べています。
落ちたのは、ほぼ脂肪だった
| 健診 | 脂肪の量 | 脂肪以外の量 |
|---|---|---|
| 2015年2月 | 約 23.7 kg | 約 57.6 kg |
| 2018年2月 | 約 21.6 kg | 約 56.8 kg |
| 2024年8月 | 約 12.7 kg | 約 56.5 kg |
| 2026年2月 | 約 14.8 kg | 約 54.9 kg |
| 2026年8月 | 約 14.4 kg | 約 55.1 kg |
2015年2月と2026年8月を比べると、
体重の差は 11.8 kg。
そのうち、
脂肪が約 9.3 kg、
脂肪以外が約 2.5 kg です。
食事を大きく削る減量では、
筋肉も一緒に落ちやすいと言われます。
毎回、脚に体重をかけ続けてきたことが、
中身を守る側に働いたのかもしれません。
これは私ひとりの記録であって、
証明ではありません。
それでも、筋肉の側は少し減っている
ただ、正直に書いておきたい
数字があります。
脂肪以外の量を、
同じ2月どうしで比べると、
2015年の約 57.6 kg から
2026年は約 54.9 kg。
健診の体脂肪計は
簡易的な測定で、
水分や時間帯でも数字が揺れます。
記録のない年もあり、
あくまで概算です。
脂肪以外には、筋肉のほかに
水分や骨、内臓も含まれます。
そのまま筋肉の減少とは言えません。
「筋肉はすべて残りました」とは、
この記録からは書けません。
11年登っても動かなかったLDLと同じで、
都合の悪い数字ほど、
記録は静かに残してくれます。

50代からは、物差しが変わる

厚生労働省の
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」には、
目標とするBMIの範囲が
年齢ごとに示されています。
上限は変わらず、
下限だけが上がっていきます。
年齢を重ねるほど、
「痩せすぎない」ことの重みが
増していく、という設計です。
40代の終わりにいる私にとって、
これは静かな合図に見えました。
これまでの仕事は「減らす」でした。
いま続けているのは、
階段のあとの腕立て伏せです。
4種類を、つらくなるところまで。
始めてから、およそ2年になります。
見ていく数字も変えます。
約 54.9 kg という今年の数字が、
来年どちらへ動くのか。
増えていなくてもかまいません。
減っていなければ、
それが「落とさない」の
ひとつ目の答えになります。
そして、宿題もあります。
腹囲がこの1年で
76.4 cm から 80.0 cm へ戻りました。
体重は変わっていないのに、です。
中身が少し入れ替わっているのか。
測り方の揺れなのか。
答え合わせは、2027年2月の健診です。
数字が止まった先に続ける意味を
先日書きましたが、
止まって見える体重の内側でも、
数字は動いていました。

出典:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書
まとめ:体重計の数字より、残したものを数えていく

「やや太めが長生き」という言葉に
ひやっとした朝から、
数字を並べ直して分かったことです。
- BMI 23.7 は、リスクが低い帯の中にあった
- 落ちた分のおよそ8割は脂肪だった
- 筋肉の側も少し減っていて、ここが次の宿題になる
統計は、
何十万人の平均を教えてくれます。
けれど、私の身体の中身までは
教えてくれません。
次回も階段を登り降りします。
減らすためではなく、残すために。
13 kgの経過は、
『40代、私はこうして13 kg減量した』に
まとめています。
日々の小さな記録は、noteのマガジンにも静かに綴っています。
おことわり
本記事は情報提供を目的としており、特定の効果・効能を保証するものではありません。
健康に関するご判断は、必ず医師・専門家にご相談ください。
本記事で使用した画像はNapkin AIを利用しています。

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